【FP監修】学資保険の契約者が死亡した時の保障は?手続方法と税金について解説

子供の教育資金を貯めるために、学資保険を考えている人は多いですよね。学資保険は貯蓄だけでなく、親が死亡したときでも子供の学資金をしっかり守るための保障がついています。
本記事では、学資保険の契約者(親)が死亡したときの保障内容や手続方法、気になる税金について経験豊富なFPが徹底解説いたします。ぜひ参考にしてくださいね。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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学資保険の契約者(親)が死亡した時の保障は?

学資保険といえば教育資金を積み立てるものと考える人が多いと思います。でも払込満了日前に契約者(親)が死亡した場合、死亡保険金は支払われません。しかし、学資保険の大きな特徴として、保険料払込免除、育英年金などの特約が挙げられます。特約の内容について詳しくご紹介します。

払込免除特約

学資保険の契約者である親が死亡すると従来通り保険料を支払うことができなくなってしまいますよね。でも、ほとんどの学資保険には払込免除特約がついているので、契約者が死亡した後の保険料の支払いは一切免除になります。
仮に「支払期間が子供が0歳から15歳、満期年齢が22歳。学資金の受け取りは15歳、18歳、22歳の3回」の学資保険に加入していたとします。子供が5歳のときに親が死亡した場合、それから15歳までの保険料の支払いは一切免除になり、学資金は予定通りすべて受け取ることができます。また死亡だけでなく、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)によって高度障害状態になったり、不慮の事故によって身体障害状態になった場合も、この特約が適用されます
注意点としては、「障害状態」に該当するケースは保険会社によって異なるので、必ず詳細をチェックする必要があること。また多くの学資保険には払込免除特約が自動付帯していますが、特則として別途付加する必要のある学資保険もあります。契約時に「払込免除特約はどうなっていますか?」と確認すると安心ですね。

育英年金特約

学資保険には育英年金特約を付加できるものがあります。育英年金特約は契約者(親)が死亡または高度障害になった場合、育英費用として所定の年金を被保険者(子)が受け取れるもの。この特約が付加されている商品は保障型の学資保険ということになります。
払込免除特約や学資金・祝金の受け取りに加えて、年金まで受領できることからメリットばかりのように思われますが、育英年金特約を付けることで保険料が割高になります。また、子供が受け取る年金には税金がかかるので、あらかじめ注意が必要す。

育英年金つきの学資保険は「かんぽ生命」で取り扱いがあります。詳しくはこちらの記事をチェクしてください。

契約者死亡時の手続方法と注意点

契約者である親が死亡したとき、誰が一体どのように手続きを進めれば良いのでしょうか?被保険者である子供は未成年である場合がほとんどで、保険会社への連絡などはできません。のちのち困らないために、保険契約時に「指定代理請求人」「後継保険契約者」を決めておくことは必須です。手続き方法や注意点について具体的にご紹介します。

指定代理請求人が保険会社へ連絡する

指定代理請求人は、契約者(親)が死亡したときに、未成年である被保険者(子)に代わって保険会社に連絡し保険金を請求するなどの諸手続きを行なう人です。契約をするときに、契約者の同意のもとに1人だけ指定することができます。多くの場合は契約者の配偶者、被保険者の祖父母、被保険者の3親等以内の親族を指定しておきます。そうすることでいざというときの諸手続きを滞ることなくスムーズに行うことができます。

その後の契約は後継保険契約者が引き継ぐ

後続保険契約者は、契約者(親)が死亡した後の学資保険の権利と義務を引き継ぐ人のことです。契約者が被保険者の父なら、後続保険契約者は配偶者である母に指定されるのが一般的です。「義務」といっても保険金の支払いは払込免除特約によって免除になるので、することは保険金を受け取るための書類上の手続きなどになります。指定代理請求人同様、保険契約時に1人指定します。

満期金や祝い金の受取に税金はかかる?

諸手続きが完了し保険金も受け取ったら安心でしょうか。実は契約者の死亡後に、誰が契約を引き継ぐのかによって、受け取ったお金が課税の対象になる場合があるので注意が必要です。「手続きさえしておけば支払わずに済んだのに」と後悔しないよう、税金について契約前にしっかりと理解しておきましょう。

死亡後に契約を引き継いだ人に相続税かかる

契約者が死亡すると、契約を引き継いだ人に対して、学資保険の「契約の権利の評価額(権利の価額)」に相続税が課されます。権利の価額は、契約者死亡時点で「保険を解約した」と仮定し計算した解約返戻金の額になるのが一般的です。

育英年金は雑所得に換算され課税される

契約者(親)が受け取る満期金や祝い金は「一時所得」という所得になり、所得税の対象になります

一時所得でかかる税金の計算式は、

(受取り総額)−(支払った総保険料)
−特別控除額(50万円)

つまり支払った総額より受け取った総額の差が50万円を超えると税金がかかります一般的な学資保険では、よほど大きな保険金額でない限り受取総額と支払総額の差額が50万円を超えることはないので、税金はかかりません。ただし、同じ年に他にも一時所得がある場合はそれらを合算する必要があり、50万円を超える金額の½が一時所得となります。

しかし、契約者(親)が死亡した場合には注意しなければなりません。後継保険契約者を指定していないと子供が保険金を受け取ることになり「雑所得」になります。育英年金(養育年金)も同様に「雑所得」となります。

雑所得の税金の計算式は、

(受取り総額)−(支払った総保険料)

で、一時所得と異なり50万円の控除額がないです。子供の年齢が低ければ年金額を含む「受取総額」が「支払った保険料」を上回り税金が課せられるだけでなく、38万円を超えると所得税がかかったり、収入があるとみなされ親の扶養から外れなければならなくなります

学資保険にまつわる税金について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

契約時に後継保険契約者は親権者で設定しておくと良い

契約者が死亡し子供が保険料を受け取ることで、課税対象となったり、親の扶養から外れ児童手当や母子家庭手当を受領できなくなってしまう…。子供の幸せを願って加入した学資保険なのに、結果的に子供の負担になってしまっては本末転倒ですよね。しっかり保障を残せるように、契約時に後継保険契約者を忘れずに設定しておきましょう。契約者が夫なら配偶者である妻が後継保険契約者になります配偶者を指定できない場合も、3親等の範囲内の親権者に相談し指定しておくのが良いでしょう

契約者が祖父母で学資保険の契約はできる?

シニア世代は金銭的にもゆとりのある人が多く「孫の教育費を援助したい」という気持ちで祖父母が学資保険を契約するケースが増えてきています。子育て真っ最中の親としてはありがたいことですが、加入時の年齢制限や税金などが気になるところです。祖父母を契約者として学資保険は契約できるのでしょうか?注意点を詳しく解説します。

保険会社の年齢制限をチェック

祖父母が孫のために学資保険に加入する場合、必ず孫の親の同意が必要です。厳しい会社では孫との同居が条件に加わることもあります。
また年齢制限も忘れてはいけません。たとえばニッセイは60歳かんぽ生命は65歳など、保険会社の多くは契約可能な年齢の上限を60~65歳に設定しています。高齢化の影響もありJAは75歳、住友生命は女性なら73歳まで、と70歳過ぎても加入できる保険も増えてきました。ただ、健康状態の申告で加入できない場合もあり、加入できたとしても保険料は高くなりますまた、祖父母が学資保険に加入した場合、死亡時の払込免除特約は適用されない場合もあるので注意が必要です。

贈与税がかかる場合が多いことに注意

祖父母が加入した学資保険は被保険者は孫ですが、保険金の受取人を誰に設定するかによって税金の種類が変わってきます。

契約者(祖父母)=受取人(祖父母)の場合は、所得税(一時所得)になります。この場合、払込保険料と受取保険金の差が50万円までは控除になるので、税金がかかることはほとんどありません。
ですが、契約者(祖父母)≠受取人(孫)の場合は贈与税の課税対象になります。贈与税は110万円までが非課税枠ですが、多くの学資保険の受取総額は110万を超えるので、税金がかかってしまいます。

契約者 被保険者 保険金
受取人
税金
祖父母 祖父母 所得税
祖父母 子(孫の
父母)
贈与税
祖父母 贈与税

「自分たちが孫を支援している」という実感を得られるメリットこそあれ、総合的には祖父母が学資保険に加入してもデメリットの方が多いのではないでしょうか。
どうしても祖父母が援助したい場合は、学資保険の契約を通常どおり子(孫の父母)が行ない、祖父母が保険料を支払う方法を検討するのも良いかもしれません。祖父母よりも年齢が若い子(孫の父母)が契約することで保険料が安くなります。また祖父母の支払う保険料の金額は年間30~40万円程度で110万を超えないため、贈与税がかかりません。

学資保険は子供が生まれる前の加入がおすすめです。ソニー生命など出生前加入特則のついた学資保険もあります。今人気の学資保険については、こちらの記事をチェックしてください

⇒ 2020年学資保険の
返戻率ランキングはこちら

まとめ

子供には安心して勉強を続けさせ立派にひとり立ちできるように支えてあげたい。誰もがそんな気持ちで学資保険に加入するのではないでしょうか。保険の契約には難しいイメージがありますが、学資保険ならではの特約や税金、注意点などをきちんと把握し、メリットを最大限に活かせるよう手続きをしましょう。そうすれば自分に万一のことがあった日にも、子供に負担をかけることなく未来に繋げていくことができます。子供の大切な将来にかかわることなので保険会社のスタッフへの確認を怠らず、最高のプレゼントにしたいですね。

  • 万一のときのスムーズな手続きのために、契約時に「指定代理請求人」と「後続保険契約者」の指定を忘れずに。
  • 払込免除特約は契約者死亡時に保険料が免除になり満期金や祝金が受け取れる特約。付加されているか契約時に保障内容を必ずチェックを!
  • 保険金以外に年金を受け取れる「育英年金」は雑所得。受取人が子供の場合、額によって課税対象になったり親の扶養から外れたりするので要注意。
  • 祖父母の学資保険加入は年齢や健康状態など条件が多い一方で、保険料が高い、払込免除特約の適用がない、贈与税の課税対象になるなどデメリットの方が多い。

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