【FP監修】学資保険返戻率アップする方法〜低利率時代に賢く貯める

子供の教育資金、確実にできるだけ多く蓄えておきたいですよね。最近はマイナス金利の影響で銀行に預けてもわずかな金利しか付きません。
では、学資保険はどうでしょうか。
学資保険の場合、どれくらい貯蓄性があるかの判断基準として「返戻率へんれいりつ」をチェックすることが大切です。返戻率とは保険料総額に対して、受取ることのできる金額の割合のこと。この返戻率の高い保険ほど貯蓄性が高くなります。
本記事では学資保険の返戻率に着目し、返戻率を高くする方法と返戻率の高い学資保険についてもお話します。しっかりチェックしてお得に学資金を貯蓄しましょう!

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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学資保険返戻率ランキング

マイナス金利が与える影響は?預貯金の利率はどう?

2016年1月に景気回復策の一環として、日本銀行がマイナス金利の採用を発表しました。このマイナス金利とは、銀行が日銀にお金を預けることで得られる利息(標準利率)がマイナスになるということ。このマイナス金利が採用されたことで、私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。
まず、メリットとして住宅ローンや自動車ローンなどお金を借りる時にかかる利息が下がります。これは住宅や車の購入を考えている人には嬉しいですね。しかし、デメリットとして銀行にお金を預金する時の金利も下がっているのです
普通預金の金利が0.02%程度だったものが、マイナス金利が導入された後0.001%程度まで落ち込み、定期預金も0.01%程度と低水準まで下がっています。つまり、銀行にお金を預けても、ほとんど増えることが期待できないということです。

利率が悪いと学資保険はどうなる?

マイナス金利の影響は学資保険にも及んでいます。保険会社は、国に保険料の一部を預け、その運用益で利益を出しています。この運用益のことを予定利率といいます。運用益で得られる利益が高いほど、保険料を割り引く仕組みになっています。つまり、予定利率が高いほど保険料が安くなるのです。

利率の仕組み 学資保険 利率

しかし、マイナス金利によって標準利率が下がり、運用益の見込みが悪くなると、保険料から割り引かれるはずの予定利率が下がり、保険料が上がることになります。予定利率は標準利率の他にも、保険会社の状況や運用の予測をもとに決められますが、標準利率の変化が多く影響されています。

標準利率が上がる → 予定利率が上がる → 保険料が下がる(返戻率が高くなる)
標準利率が下がる → 予定利率が下がる → 保険料が上がる(返戻率が低くなる)

マイナス金利である現在は標準利率が低いので、契約者の保険料が上がり返戻率が下がるという状況です。そのため、学資保険では、返戻率(保険料総額に対して受取る満期金や祝い金の総額の割合)が下がり、中には元本割れする商品や販売中止になった商品も出ています

JA、かんぽ、アフラックなど…学資保険の返戻率は軒並みダウン

2017年の4月以降、マイナス金利の導入の影響でほとんどの学資保険は返戻率ダウンとなりました。マイナス金利の導入前と導入後の比較がこちらです。

~2017年
(マイナス金利導入前)
2019年~
(マイナス金利導入後)
JA共済 108.7%前後 101.0~104.2%
かんぽ生命 104.8%前後 95.2~98%
アフラック 105.2%前後 96.7~98.4%
ソニー生命 109.5%前後 104.4~108.0%
フコク生命 109.6%前後 102.5~105.8%
明治安田生命 112.6%前後 103.1~105.0%
日本生命 107.1%前後 102.2~104.9%

※学資保険の返戻率は、祝金の有無や払込期間、医療保障特約などのプラン内容によって変動します。

マイナス金利の導入前後を見比べてみると、各社とも返戻率が大きく下がったことが分かりますね。そんななか、現在はソニー生命の返戻率が高めをキープしています。
返戻率は支払額と受取額に大きく影響します。学資保険は大学入学の際に、入学金や授業料などの教育資金としてすでに使い道が決まっている場合が多い保険です。少しでも多い返戻率を選びたいところですよね。

過去20年の標準利率の推移は?今後利率は上がる?下がる?

国の標準利率が下がると、保険料から割り引かれる予定利率も下がり、保険料が上がることは先程お伝えしました。保険料が上がると返戻率が下がるので、標準利率は、学資保険の返戻率を決める重要な数値といえますしかしその標準利率は、この20年引き下げられ続けているのです。2018年11月に日銀は「マイナス金利政策を現時点では金融政策として必要」との見解を示しています。今後、マイナス金利政策はしばらく続くことが予想され、標準利率も大きく上がる可能性は低いといえるでしょう。

過去の標準利率の推移

1999年(平成11年)3月末 2.75%
2001年(平成13年)3月末 2.00%
2013年(平成25年)3月末 1.50%
2017年(平成29年)3月末 1.00%
2017年(平成29年)4月1日~ 0.25%

学資保険の返戻率とは?

契約者にとって、一番のチェックポイントはその返戻率ではないでしょうか。もちろん保障内容も大事です。しかし、将来の資金の為に「払った金額に対し、いくら戻ってくるのか」ということは、欠かさず確認したいところですよね。

返戻率とは、「払った保険料総額に対し、いくら戻ってくるのか」を表した数値です。
100万円払い、100万円戻ってくる場合は「100%」
返戻率が100%以上であれば「払った金額より、受け取る金額が多い保険商品」ということ。
返戻率が100%以下であれば「払った金額より、受け取る金額が少ない保険商品」、つまり元本割れする商品ということです。

まずは、ここを押さえておきましょう。

返戻率の計算方法

返戻率は以下の方法で計算されます。

返戻率の計算方法 学資保険 利率

実際に上記の表に当てはめて計算してみます。

<支払総額200万円・返戻率110%の場合>
200万円 × 1.1(110%)= 220万円

<支払総額200万円・返戻率90%の場合>
200万円 × 0.9(90%)= 180万円

返戻率が異なると、支払総額に対して受け取る金額に大きく差がでますね!受け取る金額を少しでも多くする為には、返戻率を意識することが必要です。

※ちなみに返戻率が110%の場合は、この学資保険の利率は約0.66%となり、銀行の定期預金の利率(0.01%)と比べると約66倍になります。(運用期間15年で計算)

予定利率が下がると、返戻率も下がる!

予定利率の引き下げと返戻率の関係 学資保険 利率

マイナス金利の導入後標準利率が下がることが決定されると、保険会社は会社の収益予想(予定利率)を見直しました。
多くの保険会社はマイナス金利後の予定利率に合わせて、2017年4月から学資保険の保険料を上げるという対策を取りました。つまり、返戻率が下がったのです。

学資保険の返戻率を高くする4つの方法

返戻率が下がっている現在も、学資保険を契約する人は多いのではないでしょうか。銀行の預金も低金利時代のいま、少しでも多くお金を貯めたい人にとって、学資保険は預貯金よりも効率的に確実に学資金を貯める方法として今でも有効な手段です
学資保険で少しでも効率よく貯めるには、どのような方法があるのでしょうか?

生まれた直後に契約する

学資保険は、長く契約している方が返戻率が上がる仕組みです。長くお金を預けている方が、その分保険会社は長期的に運用できます。

<JA学資保険「学資応援隊」>満期の年齢22歳 満期共済金300万円 払込年齢18歳の場合

加入時0歳
(親が30歳の時)
加入時10歳
(親が40歳の時)
払込総額 2,863,296円 2,946,384円
返戻率 104.7% 101.2%

上記の表のように、生まれてすぐ加入するか、10歳になってから加入するかで返戻率に大きな違いが出ています。
同じ22歳のときに保険金が受け取りできて、同じ払込年齢18歳であっても、生まれてすぐに加入するほうが払込総額が少なくて済みます
また、親の年齢も保険料に影響があるので、学資保険は少しでも若い時に加入することがおすすめです。学資保険の中には妊娠中(出産140日前から)から加入できる保険もあります。子供が生まれてからはじっくり相談する時間もなかなか取れないですよね。余裕のある出産前に加入しておくのもおすすめです。
また、学資保険には被保険者である子供にも、契約者である親にも加入可能年齢というものが存在します。双方の年齢が高すぎると保険に入ることが出来ないので注意が必要です。何歳まで契約出来るのかは各保険会社によって異なりますので、確認してみてくださいね。

学資保険の加入時期による返戻率の違いについて詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

支払期間を短くする

同じ時期に満期が来る場合でも、払込期間が短いほうが返戻率が高いです。早くに保険料を払いきることで、保険会社はより長く運用することができます。その分保険料は高くなりますが、返戻率も上がりますよ。

<JA学資保険「学資応援隊」>満期の年齢22歳 満期共済金300万円 0歳の時に加入した場合

12歳まで払込 18歳まで払込
払込総額 2,761,596円 2,863,296円
返戻率 108.6% 104.7%

特約をつけない

少しでも返戻率を上げる為には、特約をつけない事も一つの方法です。
特約には様々な種類がありますが、保険料に影響のある主なものでは子どものケガや病気などの医療費の保障される医療保険特約や契約者である親に万が一の事態が起こった時に毎年給付金が支払われる育英年金特約などが挙げられます。これらの特約をつけると、その分保険料が割高になります。

<学資保険での特約の例>

払込免除特約 契約者(親)が死亡、または高度障害になった時に、その後の保険料が免除になる特約。ほとんどの学資保険で自動的に付帯されています。
育英年金特約 契約者死亡、または高度障害になった時に、その後決まった期間の間に給付金を受け取れる特約。
医療保険特約 子供の医療費を保障する特約。入院時に日数分支払われる入院給付金と、手術の際に支払われる手術給付金の2種類あります。
災害特約 子供が事故などのケガにより死亡した場合や、所定の身体障がいになった時に保険金を受け取れる特約。
傷害特約 子供が事故や特定の伝染病が原因で亡くなった時や所定の障がいになった時に保険金を受け取れる特約。

学資保険の特約は、他の生命保険等と保障内容が重複している事も多いです。死亡保障である死亡給付金や、育英年金は親の生命保険でカバーすることができます。また、子供の医療保障も市町村からの補助が出る事が多く、必要ないと判断した特約は付けないことが返戻率をアップする方法の1つです。

年払いにする

保険料の支払いには年払いと月払いと選べるものがありますが、少しでも返戻率を上げるためには「年払い」を選択すると良いでしょう。年払いの方が、保険会社の手間や月々の手数料などもかからないので、結果的に経費を抑えられるからです。その為、月払いよりも年払いの方が、支払総額が安く済みますよ。
ひと月ごとには小さな金額の違いでも、数十年後に大きな差となりますのでぜひ検討してみてくださいね。

返戻金の高い学資保険がおすすめ!ランキングをチェック

学資保険の返戻率が低くなっていることはお伝えしてきました。しかし、元本割れせず返戻率が108%程度もある学資保険もあります。保障内容が充実している保険は、その分返戻率が低くなる傾向があります。貯蓄性を重視するなら、返戻率をチェックして加入することがおすすめです。

⇒ 2019年学資保険の
返戻率ランキングはこちら

まとめ

子供を育てている家庭では、教育費をどのように準備するのかは避けられない問題です。しかし、途中解約してしまうと、解約返戻金が戻ってきても結果的に損をしてしまいます。少しでもお得になる学資保険を選ぶ為に、保険会社ごとの違いを見比べ、返戻率を重視した保険を選ぶようにしましょう。

  • マイナス金利導入により標準利率が下がり、各保険会社の学資保険の返戻率がダウンしている
  • 今後マイナス金利は継続されることが予想され、標準利率も大きく上がる可能性は低い
  • 学資保険の返戻率は下がっているが、預貯金よりも貯蓄性は高く、学資金を貯めるのに有効な手段である
  • ソニー生命の学資保険は返戻率が108%程度と高い。各保険会社を見比べ、返戻率の高い学資保険を選ぼう

学資保険返戻率ランキング

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