子育てをしていく中で、学資保険について一度は聞いたり勧められたりしたことはありませんか?大切なこどものために、しっかりと教育費を準備しておきたいものですが、色々な方法がある中で、果たして学資保険を選ぶべきなのか?
今回は、学資保険のメリットとデメリットを解説し、選ぶなら必ず抑えておきたいポイントを紹介します。

学資保険とは、どういうもの?

学資保険は保険会社に教育資金を預けておく商品です。保険料を支払うことで、決められた時期に給付金として学資金が支払われます。学習費を貯めることを目的としているので、学習費がかかる時期に学資金を受け取るように作られています。
学資保険によって大学入学に特化したものや、授業料として分割で受け取るもの、節目に祝金として受け取ることができる商品もあります。
また銀行での貯蓄とは違い、学資保険には保障機能も付帯されているため、万が一のことが起きてもこどもの将来に影響を与えないように設計されています。

学資保険の5つメリット

ここからは学資保険を契約するメリットを5つご紹介します。

計画的に学資金や入学金などの貯蓄ができる

1つ目のメリットは貯蓄性です。
学資保険は毎月定められた金額が保険料として自動的に引き落とされます。自分でお金を移動させる必要がないため、貯金が苦手な人でも貯蓄が可能です。また学資保険は途中で学資金を引き出したり、解約をしたりすることが基本的にはできません。支払ったお金を自由に出し入れできないので、大学入学など教育費が必要な時期までに計画的にしっかりと貯蓄ができます

支払った金額より多く受け取れる場合がある

2つ目のメリットは支払った金額以上の学資金を受け取れる場合がある点です。
学資保険を選ぶポイントに、返戻率があります。返戻率は支払った保険金に対し、将来どれだけの学資金を受け取れるかを示し、100%を超えれば支払額より多く、下回れば少なくなります。

返戻率は金利により左右されます。金利は預けた資金に対しての利子のことです。学資保険と通常の預金の金利を比較してみましょう。

平均的な金利の比較
学資保険 預金
0.2~1% 0.01~0.2%

平均的な金利は学資保険の方が高いので貯蓄性がある商品といえます。

親が死亡した場合は保険料の払込が免除される

3つ目のメリットは、保護者の万が一に備えられている点です。どれだけ健康に気を付けていても、不幸に見舞われてしまうことはあります。そんな万が一の時に力になってくれるのが学資保険です。3つの特徴をご紹介します。

  1. 保険料の払込が免除かつ、学資金や祝金を受取可能

多くの学資保険で「払込免除特約」という制度が適用されています。払込免除特約は保護者が死亡したり、高度障害になった場合に保険料の払込が免除になる制度です。収入がなくなって保険料の払込が困難になっても、この制度のおかげで支払は免除となる上に学資保険の契約も継続できます。もちろん学資満期金や祝金も受取可能です。

払込免除特約の他にも、保護者の万が一に備えた「育英年金」をプラスできるプランがついている商品もあります。育英年金は保護者が死亡、または高度障害や特定疾病を患った場合に満期までの間一定の金額を受け取ることができる制度です。
学資保険は毎月の教育費として使うことができませんので、その部分を補うのが育英年金というわけです。

  1. こどもの医療保障、死亡保障を付帯可能

一部の学資保険では、こどもの医療・死亡保障がセットになったプランが用意されています。こどもが集団生活を始めると、予期せぬ怪我や病気にかかることがあります。こどもの場合医療費負担がすでに軽減されていますが、保険適用外の治療が必要になったり通院にかかると費用がかさんだりするので、医療保険によってそんな万が一に備えることができます。

またこどもが亡くなってしまった場合、死亡保障という形で既払込保険料相当額が返納されます。既払込保険料相当額とはそれまで支払ってきた保険料のことです。死亡保障を付けることによって、払い込んできた保険料が無駄にならないように設計されているというわけです。

所得の控除が受けられる場合がある

4つ目のメリットは、所得控除です。年末調整や確定申告で、その年の保険に支払った保険料の一部を、生命保険料控除として申請するとその年の所得から差し引くことができ、税金が安くなります。学資保険もその控除の対象となり、「一般生命保険料」控除枠に含まれます。

生命保険料控除
一般生命保険料控除 死亡保険、学資保険など
介護医療保険控除 医療保険、がん保険など
個人年金保険控除 個人年金保険など ※条件有

それぞれの控除枠には、控除を受けることができる年間の保険料限度額が決まっています。

一般生命保険料控除の場合
所得税 年間8万円
住民税 年間5万6,000円

すでに死亡保険などで年間8万円を支払っているのであれば、控除額が変わらないので申請は不要です。
ご自分が控除対象になるのか、チェックしてみましょう。

もしもの時に契約者貸付制度が利用できる

5つ目のメリットは、契約者貸付制度です。契約者貸付制度とは、契約中の学資保険を解約せずに保険会社からお金を借りる制度で、予測していなかった支出がある場合に活用することができます。

もちろん、あくまでお金を借りるということは、保険料の他に借りた分の返済が必要です。どうしても必要な時の最後の手段として知っておきましょう。

学資保険のデメリットって?

学資保険の様々なメリットについて紹介してきましたが、ここからは注意しておきたい学資保険のデメリットを2つご紹介します。

商品によっては元本割れを起こす場合がある

デメリット1つ目は、元本割れです。元本割れは返戻率が100%を下回っている状態です。
学資保険が元本割れするケースとして挙げられるのが、貯蓄以外の機能(特約)が付いた商品に加入した場合です。

  1. 育英年金、保護者の死亡保険金
  2. こどもの医療保障、死亡保障

しかし学資保険はほとんどの商品で契約者の万が一の時には保険金の払込が免除となります。加えてこの機能の付いた商品は、保護者やこどもの万が一にしっかりと備えることが可能です。
特約の分も保険料を支払う事になるので、当然貯蓄重視の学資保険に比べ返戻率は減りますが、元本割れを起こしてもこどもの将来に向けて教育資金を残せるので、保障を重視したい方にはおすすめです。

途中解約すると損をする

2つ目のデメリットは、解約返戻金です。学資保険で受取可能な満期金は、決められた保険料を支払ったからこそ満額受取ることができます。途中解約は支払った保険料が少ないため、当然解約返戻金も少なくなるんです。

途中解約を検討しなければならない状況であれば、学資保険の内容を見直してみましょう。商品によっては育英年金など一部の機能だけを解約することができるものもあります。
契約者貸付制度も対策の一つです。各家庭の状況に合わせ、選択してきましょう。

学資保険以外で貯蓄するなら?

学資保険はこどもの教育資金として優れた商品ですが、学資保険以外で教育資金の貯蓄をする選択肢を3つ紹介します。

積立定期預金・定期預金

1つ目は定期預金です。銀行にお金を預けておく方法ですが、定期預金には2種類あるので、家庭に合わせて選択しましょう。

違い
  定期預金 積立定期預金
預け方 一括 毎月
期間 1ヶ月~10年 任意
途中解約
一部引き出し

定期預金はまとまった金額を一度に預けなければなりません。解約も基本的にできないので自由度は低いですが、同じ期間預けるのであれば積立よりも利率が高くなるメリットがあります。

積立定期預金は少しずつ積み立てる分利率は低くなりますが、預け入れた金額の一部を引き出せるなど自由度が高いメリットがあります。

個人向け国債

2つ目は個人向け国債です。国が発行する債券を個人で購入します。

個人向け国債とは
購入場所 金融機関
(銀行、証券会社など)
金額 1万円~
※以降万単位
満期 ・10年(変動金利)
・5年(固定金利)
・3年(固定金利)
金利 0.05%~
利子の支払回数 年2回
途中解約
※購入後1年より可能
一部換金
※購入後1年より可能

個人向け国債の大きな特徴は元本割れがないことと、最低金利の保証があることです。

個人向け国債は元本の満額回収が可能です。途中解約しても受取れます。ただし、ペナルティとして直近1年分の利息を返金しなければなりません。
金利については変動、固定どちらの商品を選んでも最低0.05%の金利保証が設けられています。

メリットが多くリスクが少ないですが、購入金額は万単位となっています。まとまった資金がないと難しい商品です。

運用(株や投資信託など)

3つ目は株や投資信託による資産運用です。資産運用は貯蓄ではなく運用なので、多くの資金を調達できる時もあれば失うこともあります。学資保険に比べてリスクが高いということを念頭に置いておきましょう。

資産運用として代表的なのが株式運用です。個人で銘柄を選択・購入します。配当金や株主優待を得ることができますが、自分の判断で売り買いを行うため知識がないと難しい方法でもあります。
一方の投資信託も株式運用ですが、運用も管理も信託会社にすべて任せる形になります。
NISAなど初心者でも割と始めやすい仕組みが現在では出来ていますが、投資というのは基本的には長期で行うものです。その間にどうしても相場がいい時と悪い時があり、教育資金の様にまとまった資金を使用するタイミングが決まっていると、悪い時期にまとめて引き出しをしないといけないという場合もあります。

いずれも元本保証はなく、多額の資産を手放す可能性も高い方法なので教育資金の貯蓄方法としてこれだけで準備するのは少しリスクの大きい方法です。

ドル建ての生命保険で学資保険の代用ができる?

学資保険の代わりにドル建ての生命保険を検討する人が増えてきています。

ドル建ての生命保険は円ではなくドルで金銭のやり取りを行う生命保険です。米(アメリカ)ドルか豪(オーストラリア)ドルを使います。
為替は毎日変動しています。そのため、保険料の支払金額や受取金額も為替市場に応じて変化していくのが大きな特徴です。

ドル建て生命保険が人気となった大きな理由が、予定利率の高さです。学資保険の利率が0%台の一方で、ドル建て生命保険は3%となっています。金利が高くなれば当然、返戻率が高くなります。その上為替変動があるので、保険料の支払い時よりも円安のタイミングで満期を迎えれば受け取れる金額はさらに上がります。

一見メリットだらけのように見えますが、もちろんリスクもあります。円安になれば支払う保険料が高くなり、反対に受け取り時に円高になれば受け取る額は少なくなります。毎月決まった額で確実に貯蓄していくなら、やはり学資保険が良いでしょう。

※為替変動の影響の例
「保険料の支払い時」~保険料が毎月100ドルの場合~

1ドル100円の時 保険料10,000円
1ドル120円の時(円安) 保険料12,000円

「保険金の受け取り時」~保険金を1万ドルを受け取れる場合~

1ドル100円の時 受取額100万円
1ドル90円の時(円高) 受取額 90万円

※円高円安が入れ替わると反対の結果となります。

学資保険を選ぶ時は返戻率をチェックしよう

これまで学資保険のメリット、デメリット、また学資保険以外での貯蓄方法を紹介しました。
たくさんの選択肢がある中で、学資保険は教育資金の優れた貯蓄方法のひとつです。
学資保険を選ぶ際にはそのメリットを最大限活用するために、返戻率を必ずチェックするようにしましょう。
学資保険の中には、保障が充実している代わりに返戻率が低く、元本割れする商品もあります。
第一の目的は教育資金の確保ですので、少しでも多く学資金が受け取れる商品を選ぶことをおすすめします。

保険料を一括払いや短期払いにすると、返戻率が上がる

返戻率を高くする方法として、保険料の一括払いと短期払込があります。学資保険は18歳ごろまで払込を続けるのが一般的ですが、加入時に保険料を一括で支払う方法や、10歳までなどの短期で払込を終えるプランもあります。
こういった場合、多額の保険金を長期間預けることになるので、通常に比べ返戻率が高くなるんです。
資金の見通しがたつ場合にはおすすめの方法です。

まとめ

学資保険は様々な保険会社から販売されていますが、商品によってそれぞれ特徴があります。大学進学に備えるのか、こまめに資金を受け取るのか、メリット、デメリットをしっかりふまえ、こどもの将来設計に添って自分たちに必要な学資保険を見極めていくことが大切です。

まとめ

  • 学資保険を選ぶときは返戻率を必ずチェックしよう
  • 途中解約することの無いようにプランは慎重に選ぼう
  • 学資保険以外での貯蓄方法も併用するとさらに安心

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