【FP監修】出産手当金はいくらもらえる?条件や申請方法をチェック

出産のために会社を休む際、収入がなくなるのか気になりますよね。産休中には、その間の生活を支えるため「出産手当金」が支給されます。出産手当金の支給には条件があり、これを満たせばパートや派遣社員でも受け取ることができるんですよ!
本記事では、出産手当金の支給条件や支給額、また申請方法などを解説します。安心して子育てするためにも、きっちり申請しましょうね。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

⇒ 監修者のプロフィール詳細はこちら

出産手当金とは?

出産手当金とは、出産が理由で仕事を休む人のための制度です。出産一時金と間違われてしまうことが多いので、2つの違いを説明します。

出産手当金
出産で働けない期間の減収を補い、産休中の生活をサポートするための制度で医療保険(健康保険)から支払われます。
1日あたり、標準報酬月額(支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額)÷ 30日× ⅔が支給されます。出産日(出産予定日より後の出産の場合は出産予定日)以前42日(双子などの多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日から56日間支給されます。

出産一時金
出産費用の負担を軽減するための制度で、こちらも医療保険(健康保険)から支払われます。一児につき42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産した場合や、在胎週数が22週未満の分娩の場合は40.4万円)が支給されます。

今回は、産休中の生活をサポートする制度「出産手当金」についてを詳しくお伝えしていきます。育休に入る前に、出産手当金について正しく知っておきましょう。

出産一時金について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

会社が加入している社会保険から支払われる

出産手当金は、本人や夫の勤めている会社の加入している健康保険から給付されます。そのため、必ず健康保険に加入していることが条件です。

公務員や公務員共済、私立学校職員は私学共済から支払われる

公務員や私学学校の職員は、一般的な健康保険とは管轄が異なりますが心配はいりません。それぞれ公務員共済や私学共済から給付されます。

出産手当金がもらえる人、もらえない人

健康保険の被保険者かその扶養家族であれば、出産をしたすべての人が受け取れる出産一時金。一方、出産手当金は給付される人と支給されない人が存在します。給付されるには一体どんな条件があるのでしょうか。

出産手当金が支給される原則
  • ご自身が健康保険の被保険者
  • 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産(死産・流産でも支給されます)
  • 出産のために仕事を休んでいる

これらの原則が適用される人に支給されます。詳しく説明しますね。

夫の扶養に入っている人はもらえない

出産手当金は、夫の扶養に入っている専業主婦には支給されません。ご自身が働いて社会保険に加入されている被保険者であることが条件です。

国民健康保険の加入者は対象外

自営業者や個人事業主、フリーランスの方が加入する国民健康保険は、出産手当金の支給の対象外となっています。まれに企業に勤めていても、健康保険ではなく、国民健康保険である場合がありますので、注意してくださいね。

パート・派遣・契約社員など雇用形態は関係ない

夫の扶養に入っておらず、ご自身で健康保険に入っていればパートや派遣社員でも支給されます。

退職後期間も条件を満たせば支給される

出産日に退職している場合も、いくつかの条件を満たすことで、保険給付を受けることができます。

退職した場合の出産手当金の支給条件図 出産手当金 条件

①退職日までに社会保険に1年以上継続加入している 欠勤、休職中も被保険者期間に含めることができます。途中で転職した場合も、間に空白期間がなく、継続して1年以上なら支給されます。ただし任意継続の被保険者期間は除きます。任意継続とは、以前の職場からの健康保険を退職後も継続したい場合に利用できる制度のことです。
②退職日が出産日もしくは出産予定日の42日以内(多胎児の場合は98日以内)であること 出産前42日以内の退職であれば支給対象です。また、有休消化中は、保険期間に含めることができます。
③退職日に出勤していない 有給休暇と欠勤、どちらでも問題ありません。

これらの支給要件が全て当てはまる場合に、出産手当金が支給されます。
注意が必要なのは、健康保険の任意継続です。任意継続とは、以前の職場からの健康保険を退職後も継続したい場合に利用できる制度のこと。出産手当金の支給は、任意継続している健康保険は含まれませんので、気を付けてくださいね

出産手当金はいくらもらえる?

出産手当金を申請する人にとって、特に気になるのは支給額のことではないでしょうか。この章では、出産手当金がもらえる期間や、支給額の計算方法についてをお伝えしていきます。

出産手当金がもらえる期間はいつからいつまで?

出産手当金の支給開始日は、出産予定日より42日間前(双子などの多胎妊娠の場合は98日前)からです出産後56日までのあいだ継続します出産する子どもが一人なら、最大で98日間です。
もちろん、出産は予定日と異なる場合も多く、人によってさまざま。妊娠4ヶ月以上であれば、予定日より早く生まれても支給されます。ただし、出産が早まれば早く生まれた日数だけ最大期間から減ってしまいます。予定日以降の出産の場合は、遅れた期間もカウントされ、出産後56日間まで延長されます。

出産手当金の給付期間図 出産手当金 条件

なお、出産手当金の受給期間は健康保険料、年金保険料、雇用保険料が免除されます加入実績も継続され、保障はそのまま受けられます。

出産手当金の計算方法

出産手当金の金額は、計算方法が決められています。しかし、支給期間と勤務先からの報酬額は人によって違うので、実際に受け取る金額は一人ひとり異なります。

出産手当金の支給額
【 支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷ 30日 × ⅔ × 支給日数

標準報酬月額とは、基本給のほか残業手当や通勤手当などの各種手当、ボーナスなど会社から支給される報酬額を平均したものです。つまり、元のお給料の3分の2の金額を、支給日数の分だけ受け取れるということですね。

例)過去12ヶ月の各標準報酬月額が平均30万円で、予定日に出産したケース

300,000円 ÷ 30日 = 10,000円(一日あたりの標準報酬月額)
10,000円 × ⅔ = 約6,660円
6,600円 × 98日 = 約652,680円

上記のような例の場合、出産が予定日より遅れた場合は、一日当たりの標準報酬月額の3分の2である約6,660円が一日ごとに加算されていく仕組みです。

なお、育児休業休暇制度を利用する際は、産休期間が終了した翌日が育児休業開始日になります。

育休中には育児休業給付金が支払われます。詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

出産手当金を受給している間は傷病手当金は受け取れない

健康保険の被保険者が業務外で病気やケガになった時に、療養による減収をサポートするための傷病手当金。妊娠中つわりなどで勤務できない場合にも、この手当金を受給することができます。しかし、出産手当金が支給される期間については傷病手当金の支給はされません。二重では受け取れないということですね。ただし、傷病手当金の受給額の方が、出産手当金より多い場合には、その差額分が支給されます。

妊娠中の傷病手当金について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

出産手当金の申請方法

出産手当金の申請は、主に本人が行います。しかし、申請書の中には、会社の証明が必要な部分もあり、そのまま会社が申請してくれるケースもあります。事前に総務などに確認しておくと、申請時にスムーズですよ。

<申請の流れ>

①必要な用紙を手に入れる 出産手当金申請書をダウンロード
⇒協会けんぽHPはこちら
②用紙を記入する 1、被保険者用
2、医師や助産師用
3、事業主用
それぞれ記入箇所があるため、病院や会社に証明の依頼する。
③自分で郵送、もしくは会社から郵送 保険証の一番下に記載されている「保険者住所」に郵送する。

このような流れで、出産手当金を申請します。申請に必要な用紙は、基本的には出産手当金申請書1枚ですが、条件によっては他にも書類を添付する必要があります。

<条件により必要になる書類>

条件 添付書類
被保険者死亡の場合 (除籍)戸籍謄本又は戸籍抄本
出産手当金申請書にマイナンバーを記載した場合
(保険証の記号番号を記入した場合は不要)
マイナンバーカードあり:
カードの両面コピー

マイナンバーカードなし:
以下①と②の書類をそれぞれ台紙に貼り付け申請書に添付
①番号確認書類(個人番号通知のコピー、マイナンバーが記載された住民票、マイナンバーが記載された住民票記載事項証明書のうちどれか1つ)
②身元確認書類(運転免許証のコピー、パスポートのコピー、その他官公署が発行する写真つき身分証明書のコピーのうちどれか1つ)

申請期間はある?

出産手当金の申請は、産前分と産後分とで複数回に分けて申請することが可能です。しかし、申請のたびに、事業主の証明が必要となり手間がかかります。申請は2年後までは全額申請が可能です。申請を一度で終わらせるなら、出産後56日がすぎてから一度に申請をすると良いでしょう。

申請後1~2ヶ月後に振込

出産手当金は、申請後すぐに受け取れるわけではありません。申請手続き後だいたい1~2か月後の振込になることが多いです。産後3~4ヵ月は入金されませんので、その期間のお金の準備はしっかりと備えておく必要があります。

申請用紙は協会けんぽのホームページから

申請用紙は、協会けんぽのホームページからダウンロードすることができます。会社に健康保険組合がある場合は必要書類が違うので、ご自身の会社の健康保険組合によくご確認くださいね。

⇒全国健保協会申請書ダウンロードはこちら

子供の将来の学資金のために、早めの学資保険の加入がおすすめ

子供が生まれたら、子どもの成長や進学のために貯金を始める人も多いです。低金利時代の今は少しでも貯蓄性の高い商品を効率よく貯めたいものですよね。貯蓄性を重視するなら、貯金よりも学資保険の加入がおすすめです。
学資保険の多くは、出生前からの加入もできるので、産休中に学資保険の検討をしておくのもいいですね

学資保険は払込免除特約の保障が魅力

子供が生まれて大学などへ進学するときに、自分は元気に働いているのかな?親になると誰しも心配になりますよね。何が起こるかわからない人生、学資保険は親の死亡時や万一のときには払い込みが免除され、満期金を受け取ることができます。間違いなく学資金が用意できるので、安心ですよね。

早めの加入で返戻率がアップ!

返戻率とは、払い込んだ保険料の総額に対し、祝金などを含んだ受取の総額を割合で表しています。返戻率が100%を超えると、払い込んだ保険料より受け取る金額が多いということです。学資保険は、支払われた保険料を運用するので、早めに加入することで返戻率が上がります。
また、早めに加入することで月々の保険料も安くなるので、少しでも家計の負担を減らしたい人にはおすすめです。
しかし、学資保険のなかには返戻率が100%を下回る商品もあります。加入を検討する時には、いくつかの学資保険を見比べ、少しでも返戻率が高い保険を選びましょう。

⇒ 2019年学資保険の
返戻率ランキングはこちら

まとめ

出産後に安心して子育てに専念するためにも、金銭面での不安は少しでも解消しておきたいものです。休業中の収入減を補える出産手当金は、積極的に活用したい制度ですね。しかし、忙しい出産後に手続きをするのは大変なことです。申請用紙の用意や手続きの流れは、出産前に把握しておくことをおすすめします。

  • 出産手当金は、全国健康保険協会や公務員共済、私学共済から支払われる
  • 夫の扶養に入っている人や、国民健康保険の人は対象外
  • 出産手当金の給付期間は出産日(出産予定日より後の出産の場合は出産予定日)より42日間前(双子などの多胎妊娠の場合は98日前)から出産後56日まで
  • 出産手当金の申請から入金までは、タイムラグがあるため、事前に生活費を備えておこう

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事