【FP監修】出産一時金の差額はいつ振り込まれる?受け取り方法を解説

子供1人につき42万円が支払われる出産一時金の制度は、これから出産を控える方にはとても心強い手当です。直接支払制度や代理受取制度という方法がとられていて、産後に病院窓口で支払う出産費用は42万円を超えた分だけで大丈夫なんです。まとまったお金を用意する必要がないのは助かりますよね。
本記事では出産一時金の申請方法や、出産費用が42万円を下回った時の差額の受取方法を解説します。出産前に確認しておき、後であわてないようにしっかり理解しておきましょう。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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出産一時金は子供1人あたり42万円が支給される

出産一時金とは、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産する際に支給される給付金です。加入している健康保険から支払われ、対象者は健康保険、共済組合の被保険者かその扶養家族、国民健康保険加入者になります。
産科医療補償制度対象分娩の場合、子供1人あたり42万円が支払われ、多胎児の場合は人数分が支払われます。この制度に加入していない保険医療機関での出産の場合は40.4万円になります。また、海外での出産の場合でも出産一時金は支給されます。
妊娠4ヶ月(85日)以上であれば、死産、早産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由)でも支給対象となります。
では、出差一時金について、もう少し詳しく説明していきます。

退職後でも条件を満たせば出産一時金が支給される

出産のために会社を退職し、健康保険が資格喪失となった場合でも以下の条件を満たせば出産一時金をもらうことができます。

退職後の出産一時金の受取条件
①妊娠4ヶ月(85日)以上
②被保険者期間(資格喪失前)が1年以上
③資格喪失してから6ヶ月以内の出産

ただし、退職した後に出産しても付加給付をもらうことはできませんので注意してください。もし、夫の健康保険組合で付加給付がつく場合はそちらで申請するといいでしょう。
また、退職後の出産に関しては、退職前に加入していた健康保険から給付を受けるか、扶養になった健康保険組合から受けるか、どちらか一方を選択しなければいけません二重で受け取ることはできません

出産一時金にも時効がある

健康保険法に記載されていますが、出産一時金の申請には時効があります。出産日の翌日から2年以内に申請手続きをしないと出産一時金を請求する権利を失いますので、特に、海外での出産が決まっている場合には、事前に加入している健康保険組合や国民健康保険窓口で支給申請書類等の手続きを確認しておくといいでしょう。

出産準備にどれくらいお金がかかるの?気になる人はこちらの記事をチェックしてください。

直接支払制度と受取代理制度の違いは?

出産一時金の受取方法は「直接支払制度」と「受取代理制度」の2つがあります。ほとんどの医療機関で直接支払制度が実施されていますが、助産院など一部の分娩機関は代理受取制度しか利用できない場合があります。一時金を超えた分の医療費を支払う点では同じですが、申請方法に違いがあります。そこで、どういう手続きを経て出産一時金を受け取ればいいのかをまとめてみました。

直接支払制度の流れ

直接支払制度は、医療保険者(健康保険組合など)から医療機関への支払いをする制度で、出産一時金の請求と受取りは医療機関が行います。出産予定の医療機関の窓口で一時金の申請・受取に関する代理手続きををするだけで、出産一時金の受取と請求をすべて医療機関が行ってくれ、手間がかかりません。出産費用の請求書の額が42万円以上であれば退院時に自己負担で支払い、42万円未満のときは差額を請求して受け取ることができます。

手順 作業者
①医療機関へ直接支払制度利用を申し出る 被保険者・被扶養者
②出産
③明細書の交付 医療機関
④支払い機関を通じ健保組合に一時金を請求 医療機関
⑤支払い機関を通じ医療機関へ一時金を支払い 健保組合
国保の場合市町村
⑥差額があるときは健保組合へ差額請求(一時金より出産費用が少ない場合)
不足分がある場合は病院へ支払い(出産費用が一時金で足りない場合)
被保険者・被扶養者

※国保の場合は被保険者

受取代理制度の流れ

受取代理制度とは、直接支払制度が利用できない医療機関が出産一時金の受取をするための手続きです。直接支払制度と違い、申請書や出産費用の請求報告書を被保険者が健保組合へ提出する必要があります。直接支払制度ができない小規模な医療機関での出産の場合は事前によく確認しておきましょう。

手順 作業者
①受取代理申請書の作成(出産予定日まで2ヶ月以内の人) 被保険者・
被扶養者
※1と医療機関
②健康保険組合※2へ受取代理申請書を提出 被保険者・
被扶養者※1
③健康保険組合※2から受取通知を受理 被保険者・
被扶養者※1
④出産費用請求報告書を作成・健保組合※2へ送付 被保険者・
被扶養者※1
⑤医療機関へ出産一時金を支払い 健保組合※2
⑥差額があるときは差額請求 被保険者・
被扶養者※1

※1 国民健康保険の場合は被保険者
※2 国民健康保険の場合は市町村

出産費用が42万円を下回れば差額が受け取れる

出産費用が出産一時金の42万円よりも安かった場合、その差額を受取りする差額請求をしなければなりません。一般的に、通常分娩ですとお産にかかる入院費用は42万円以上になることが多いのですが、平日昼間の出産や、入院日数などによっては42万円を下回る場合もあります。そのときに差額はもらえる権利がありますので、しっかりと請求をしてお金を受け取りましょう。

出産費用は病院によってさまざま

出産費用の平均額は地方により差があります。厚生労働省が調査した結果(平成26年度資料)を見ると最も高いのは東京都49.7万円、最も安いのは鳥取県33.5万円と地域差があります。平均額は48.6万円程度で出産一時金だけでは分娩費用をまかなうことができない地域が多いです。

東京都の入院費用
愛育病院:75万円
日本赤十字病院:65~68万円

鳥取県の分娩入院費
鳥取市立病院:37~41万円

こちらは、出産費用が最も高い東京都と最も安い鳥取県の入院費用の参考データです。
首都圏の医療機関の場合や、夜間や休日のお産の場合、出産一時金支給額の42万円を超えることが多いです。一時金以外の費用も準備しておくと安心ですね。

育児休暇中の給付金について、詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

出産一時金の差額の申請方法

出産一時金42万円よりも出産にかかった費用が安かった場合には、差額を受け取ることができます。医療機関へ出産一時金が支払われると支払決定通知書が届きます。支払決定通知書が届いた後、「差額申請書」を提出すると添付書類不要で差額を受け取ることができます
通知書が届くまでに約2ヶ月ほどかかるため、差額金を少しでも早く受け取るために支払決定通知書が届く前に「内払金支払依頼書」を使って申請することもできます

健康保険組合の場合

健康保険組合の保険証を持っている方が出産一時金の差額請求をする場合、内払金支払依頼書か差額申請書と、下記の添付書類を提出する必要があります。提出先は、健康保険者証に記載されている健康保険組合です。

支払い決定通知書が届く前に申請する場合
  →「内払金支払依頼書」

支払い決定通知書が届いた後に申請する場合
  →「差額申請書」

申請方法 添付書類
内払金
支払依頼書
①直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し
②出産費用の領収・明細書の写し
③申請書の証明欄に医師・助産婦または市区町村長の出産に関する証明 (出産費用の領収・明細書に「出産年月日」及び「出産児数」が記載されている場合は不要)
※証明が受けられない場合は、戸籍謄本、戸籍事項記載証明書、登録原票記載事項証明書、出生届受理証明書、母子健康手帳(出生届出済証明がなされているもの)
差額申請書 不要

国保(国民健康保険)の場合

国民健康保険の場合、健康保険組合のように支払決定通知書は届きませんので、退院してきたらすぐに差額請求の申請に行くことができます。その場合、発行されている健康保険証の市町村役場の窓口にて手続きをしなければなりません。

【差額請求の申請書類】
①健康保険証
②出産費用の領収書・明細書(産科医療保障制度対象の出産であることを証明印が押されたもの)
③直接支払制度を利用する旨の合意文書
④預金通帳
⑤印かん

国民健康保険の差額振込先は世帯主口座となっておりますので、必ず世帯主名義の通帳を持って申請に行ってください。振込時期は各市町村によって異なりますので申請の際に確認してくるといいでしょう。

差額申請はいつまでにすればいい?

出産一時金の差額請求には期限があり、出産日の翌日から2年以内に申請をしないと受け取りの権利を失います。まだ時間があるからと放置してしまうと毎日の育児のバタバタでうっかりと申請書を出し忘れることもありますので、早目に手続きを終わらせておきましょう。

差額の返金はいつ頃?

差額請求ですが、健康保険組合の場合、申請書を郵送で提出すると1~2ヶ月くらいで記載した金融機関へ振込されます。加入している健康保険組合毎に振込時期が異なるため、もし1ヶ月しても振り込まれないときは、電話で確認しておくといいでしょう。
国民健康保険の場合は、世帯主名義の口座へ振込されますので、差額請求申請書を提出に行ったときに振込時期を確認しておきましょう。

学資保険は早めの加入で返戻率アップを!出産前の加入がおすすめ

子供が生まれると育児で忙しくなり、なかなか子供の教育費のことまで頭は回りませんよね。でも、出産前こそ、しっかり教育費について検討しておくことをおすすめします。近年は、マイナス金利政策のため、多くの学資保険はが元本割れをするという話も耳にします。しかし、返戻率(支払う保険料の総額に対して受け取る満期金の金額の割合)が高く貯金よりも貯蓄率が高い学資保険もあるんですよ。
学資保険は妊娠中でも加入することができます。比較的時間に余裕のある妊娠中に一度検討してみるのもいいですね。加入時に親も子供も年齢が1歳若いだけで保険料が安くなるので、、返戻率も上がります。まずは、返戻率が高い学資保険をチェックしてみましょう。

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まとめ

出産一時金の差額請求について詳しくまとめました。少子化対策で制度内容や申請方法などが変更されているものがあります。制度も充実してきているので、常に最新の情報を知っておきたいですね。出産一時金に関して、出産費用が42万円以下の場合の差額請求には時効がありますので、忘れずに手続きしておきましょう。

  • 出産一時金は子供1人につき42万円
  • 海外での出産でも受け取れる
  • 出産費用が42万円以下なら差額請求できる
  • 出産一時金にも差額請求にも時効がある

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