【FP監修】公務員の育休事情は?制度の詳細とパパママの声をリポート

公務員は会社員よりも育児休暇に手厚いという話はよく耳にします。本記事では、公務員の育児休暇制度の詳細をFPが解説いたします。また、実際育休制度を利用している人はどれくらいいるのか、男性は育休を取得しているのかをリポート!実際に育休を取得した人の声も紹介します。女性公務員の方、夫が公務員という方は要チェックですよ。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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公務員の産前産後休暇制度は?男性は恵まれた制度も

公務員の産休や育休の制度は民間企業とは、どう違うのでしょうか。まず、産前産後休暇制度から見ていきましょう。

公務員は出産育児一時金が支給される?

公務員は出産時に会社員が受け取る「出産育児一時金」にあたる出産費が共済組合から支給されます出産費は42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関での分娩の場合は40.4万円)、合わせて出産費附加金3万円が支給されます。被扶養者の出産の場合は家族出産費と家族出産附加金が同額支給されます。
退職後の出産でも、1年以上共済組合の組合員であった場合は、退職後6ヶ月以内の出産に限り出産費が支給されます。退職後、転職したり夫の健康保険の扶養に入ったりして、他の医療保険者から出産時の一時金を受け取る場合は支給されません。

公務員の産休期間の給料は?

公務員が出産を控えた場合、以下の期間で産前産後休暇を取得することができ、休暇中の無給の手当として、出産手当金が支払われます

公務員の産前産後休暇

期間 出産予定日の6週間前~出産翌日から8週間
出産手当金額の算出方法 標準報酬月額の1/22の額×⅔×支給日数(出産の日以前42日から出産の日後56日まで)

会社員にはない優遇制度!公務員パパは産休がもらえる

会社員と異なり、男性公務員は配偶者出産休暇と育児参加休暇が設けられています。これは「男の産休」と呼ばれ、政府ではこの期間の男性の休暇取得率を100%にする目標を掲げています。まだ実際の男性の5日以上の男の産休取得率は、3割強程度ですが、年々少しずつ上昇中です。

この2つの休暇、配偶者出産休暇と育児参加休暇の日数および取得可能期間は以下の通りです。
なお、この期間は有給休暇になります

配偶者出産休暇 2日(出産のための入院などの日~出産日後2週間)
育児参加休暇 5日(出産予定日6週間前~出産日後8週間)

公務員の育休制度の詳細

働き方改革が訴えられている現代は、女性だけでなく男性の育児休暇の取得の推進が課題ですよね。民間企業では、なかなか浸透が難しいのが現状です。
そこで、まずは公務員から積極的に育休制度を取り入れ制度を浸透させていこうという動きがあります。
そもそも民間企業でも取り入れられている育児休業制度が制定される40年も前に「女子教育職員等育児休業法」といって、女子教員職員、看護師、保母を対象に育休制度が制定されました。では、現在の公務員の育休制度はどのようなもので、会社員の育休制度とは、どのように異なるのでしょうか?ここからは、公務員の育休制度について詳しく解説していきます。

公務員の育休期間や給料の規定は?

公務員の育児休暇に関しては『国家公務員の育児・介護休業法』と『地方公務員の育児・介護休業法』の法律に定められています。
産前産後休暇の後、育児休業を取る場合は、期間の初日と末日を明らかにして任命権者(公務員の任命等に権限を持つ人)に承認を求めます。承認がなされたら、当該職員は育児休暇を取ることができます。
この産休期間と手当金の支給割合・支給日数は会社員と同じになります。
民間企業では、育休中の手当として雇用保険から育児休業給付金が支払われます。公務員は雇用保険に加入していませんので、共済組合から手当が支払われます

公務員の育児休暇

期間 出産日の後57日目(産休終了の翌日)から子供の3歳の誕生日まで※延長と再取得については原則1回認められている
育児休業手当金額の算出方法 <育児休業開始から180日間>
標準報酬月額の1/22の額×0.67×支給日数

<残りの期間>
標準報酬月額の1/22の額×0.50×支給日数

※育児休暇の期間は3歳までですが、手当金の支払いは1歳の誕生日までになります

民間企業では、育休は子供の1歳の誕生日までなのに対し、公務員は3歳の誕生日までと、2年も長く取得できます。ただ、育児休業中の手当金の支給割合と支給日数は民間企業と同じです
育休期間の短縮については具体的に規定に定められていないため、人事担当者と復帰時期について相談することになります。
育休期間の延長と再度取得については原則1回認められています民間企業は再度取得が認められていないので、公務員はこの点でも優遇されていますね。ただし、公務員も民間企業も配偶者の入院など特別な事情がある場合や、パパママ育休プラス制度を利用した場合は再度の取得が認められています。
なお、公務員の健康保険に当たる共済組合の掛金(保険料は)産休中も育休中も免除になります。

育休制度の詳細について、詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

女性も男性も最長3年間育休を取得できる!

会社員の場合、待機児童でない場合は当該育児休業にかかる子供が1歳になるまで育休を取得できます。パパママ育休プラスという制度を用いても、1年間、1歳2ヶ月までしか育休は取得できません。
しかし公務員の場合、子供が3歳になるまで育休を取得できるので、会社員よりも長く休むことができます。

育児休業手当金は1年間、2年目からは無給

公務員は最長で3年間育休が取得できるものの、育児休業手当金が給付されるのは最初の1年間だけで、2年目以降は無給です。
育休の開始日から180日経つまでの間は、育児休業手当金は1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の67%の額が支給されます。
それ以降の期間は、1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の50%が支給されます。

育児休業手当金(日額)の支給額(標準報酬月額40万円のとき)

育休開始から180日間 40万円×1/22×0.67=12,181円
それ以降 40万円×1/22×0.5=9,090円

育児休業手当金の支給が延長になる場合については、次章で解説していきます。

育休半年以上経過でボーナスは支給されない

公務員のボーナスは6月と12月に支給されます。ボーナスの基準日は6月1日と12月1日で、基準日より6ヶ月前の期間の勤務日数に基づいて支給されます。
産前産後休暇は除算期間(ボーナスの支給額が減る期間)に当たらないため、下のイラストのように、6月1日より前に産前産後休暇が始まった場合でもボーナスは満額支給されます。
しかし、育休中は除算期間にあたるため、12月のボーナスは基準日の12月1日より前の6ヶ月間に勤務していないため支給されません。つまり、育休から半年以上すると支給されないということになります

育休除算期間中のボーナス支給イメージ 公務員 育休

育児休業手当金はどんなときに延長支給される?

公務員は最長で3年の育休が取れますが、育児休業手当金の支給は1年間になります。
ただし、育児休業手当金の支給が延長される場合があります。詳しく見ていきましょう。

保育園に入れず待機児童になった場合

保育所の入所ができない待機児童の場合は、以下の一定の要件を満たせば1歳6ヶ月まで、1歳6ヶ月の時点でまだ入所ができない場合は最長2歳まで延長されます

  • 保育所への申し込みを1歳の誕生日の前日までに済ましている
  • 入所希望日が1歳の誕生日以前(誕生日を含む)の場合
  • 1歳の誕生日時点で待機児童である場合

これらの3つの要件をすべて満たしていれば、延長が可能です。
ただし気をつけたいのが、最初から1歳以後に入園を希望していた場合や、自己都合による育休延長の場合です。この場合は育児休業手当金の延長の対象外になります。

特別な事情がある場合

上記の条件以外にも、養育予定の配偶者に以下のような特別な事情がある場合も、給付金が延長されます。

  • 死亡
  • 負傷
  • 病気
  • 離婚等による別居
  • 産休(別の子供を妊娠して産休を取った)

パパママ育休プラスを利用した場合

パパママ育休プラスとは、両親が二人揃って育休を取る場合、適用される制度です。この制度を利用した場合、育休期間が1歳2ヶ月までに延長されます。ただし手当金の給付金は最長1年間なので、気をつけましょう。

パパ休暇について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

公務員ママパパは実際どれくらい育休をとってる?

ここまでは公務員の育休の制度について、解説してきました。
公務員の育休制度は会社員より充実しているものの、実際の取得率などはどのようなものなのでしょうか?
ここからは公務員の育休の実態やデータ、実際の声などを紹介していきます。

取得率は女性99.1%、男性3.6%

女性の育児休業等の取得率は99.1%なのに対し、男性職員の取得率は3.6%とデータを見る限り、まだまだ低いです。会社員よりも優遇された制度なのにもかかわらず、実際は利用している人があまりいないのが実態です。

育児休業等の取得者数、平成28年度中に新たに育児休業等が取得可能となった職員

区分 男性職員 女性職員
平成28年度中に新たに育児休暇が取得可能となった職員数 59,721 40,361
育児休業取得者数 2,133
(3.6%)
40,013
(99.1%)
育児短時間勤務取得者数 72 2,993
部分休業取得者数 595 11,188

参照:総務省 育児休業等の取得状況(平成28年度)

※育児休業取得者数には、平成27年度以前に育児休業等が取得可能となり、平成28年度から新たに育児休業等を取得した者が含まれます。

育休復帰は6ヶ月~1年後が3割程度と最多

公務員の育休は最長で3年までできますが、実際は3年よりも短い期間で復帰しています。以下の表の通り、女性でも育休復帰は6ヶ月~1年後が3割程度と最多です。男性においては、8割弱の人が6ヶ月以下の期間で復帰しています。2年6ヶ月超の期間休む人は男性で1%、女性でも18.5%とかなり低いです。
このように、最長で3年の育児休業期間を確保できる制度を活用しきれている人は、あまり多くありません。大半の方が育休手当金の給付延長が終わる2歳までに復帰していますね。

平成28年度新規取得者
育児休業承認期間(育児休業取得者数に対し占める割合)

育児休業承認期間 男性 女性
6月以下 77.4% 4.5% 8.1%
6月~1年以下 18.1% 30.0% 29.4%
1年~1年6月以下 2.5% 22.7% 21.7%
1年6月~2年以下 0.8% 15.1% 14.4%
2年~2年6月以下 0.1% 9.2% 8.8%
2年6月超 1.0% 18.5% 17.6%

参照:総務省 表6 育児休業等の取得状況(平成28年度)

育休明けは短時間勤務や部分休業を取ることもできる

育休明け、子供を保育園に預けたといっても育休前と同じように働くことは大変ですよね。慣れない保育園生活で幼いお子さんは愚図ったり、家にいる時は甘えたい、といつもより手がかかることも。また、ママも家事に育児に仕事に、と最初から全てを完璧にこなすことは至難の業です。
そんな時は、子供が小学校に入学するまでは1日原則6時間の育児短時間勤務をとることができます給与は、勤務しない時間の分だけカットされます。

短時間勤務の勤務形態
1週間当たりの勤務時間を以下の4パターンから選択することができます。

  1. 19時間35分(3時間55分×5日)
  2. 24時間35分(4時間55分×5日)
  3. 23時間15分(7時間45分×3日)
  4. 19時間25分
    (7時間45分×2日+3時間55分×1日)

※フレックスタイム制や交替制の職員は、これに限定されない勤務形態になります。

例えば、土日休みで平日は3時間55分勤務したり、土日と月~金のうち2日間休日で、残り3日は7時間45分ずつ勤務したりすることができます。

短時間勤務の請求は1回あたり、1ヶ月以上1年以下の期間で請求が可能です。
請求が承認されれば、短時間勤務をすることができます。
ただし、以下に当てはまる人は短時間勤務が不可能です。

  • 非常勤職員
  • 臨時的任用職員
  • 育児任期付職員
  • 定年延長職員
  • 短時間勤務終了日の翌日を起算としてまだ1年経過していない職員

常勤の勤務職員は、短時間勤務ができます。
また、部分休業をとるという方法もあります。部分休業とは、育児休暇を終えた後に子を育てるために、正規の勤務時間の前か後において2時間以内、30分単位で休業する制度です。
給与は、勤務しない時間の分だけカットされます。

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育休中の人員補充はほとんどない

男性で育休を取得する人がなかなか増えないのは、育休中の人員補充がないからという声も聞きます。同じ部署の人に仕事の負担が増えたりすることを気にして育休取得をためらう人も多いです。
また、短時間勤務や部分休業を取っていたとしても、人員補充がなくて仕事量が変わらないので負担は軽くならないという人もいます。
部署などによっても育休の取りやすさは異なってきます。その点は、公務員も会社員と同じだと感じる人もいるのが実態です。

公務員ママ・パパの声を紹介

ここからは公務員の育休の実態を実感してもらうために、公務員ママ・パパの声を紹介します。

出産予定日近くからパパ産休と有給を利用して2週間休みました!おかげで出産にも立ち会えたし、上の子の世話もでき妻も「安心して過ごせた」と言ってくれました。本当はもっと長く休むべきか迷ったんですが、仕事が好きなんでこれくらいが良かった。今は残業にならないように集中して仕事しています。
育休者の多い職場だったので、3年取得しました。私の休暇期間限定の人員が補充されていたので、休みやすかったのもあります。
育休半年くらいは楽しかったんですけど、1歳くらいから昼間子供と2人だけの生活は正直大変で、マックスで仕事に戻りたくなちゃって…。収入面でかなり苦しかったのもあります。
人員補充があったので、いまさら戻れず、1年くらいにしとけばよかったと何回も思いました。でも今思うと子供と一緒の時間は貴重だったのかもしれないですね。時短で復帰しましたが、仕事が遅いのか、なかなか時間どおりに終わらず、たまに休日出勤してしのいでいます。

育休の際の人員補充があれば、長い期間育休を取るのも簡単になります。
ただ育休が長いがゆえに、子供と2人だけの生活に大変さを感じたり、収入面で苦しんだりする場合もあります。育休期間の過ごし方や、お金のやりくりなどについては、よく考えておいた方がいいかもしれませんね。

まとめ

今回は公務員の育休制度や、育休の実態について解説しました。

育休に関して公務員は会社員に比べて育児休暇手当などが優遇されているものの、実態としては育休を取る人が少なかったり、早めに育児休業終了する人が多いです。

収入面やキャリアを考えると、時短勤務や部分休業も上手に利用していくのが良いですね。

  • 公務員には男の産休がある
  • 育休制度は整っているが、実際は制度を利用する人が少なく、育休をとっても期間が短い人が多い
  • 育休期間が短くても満足できる人もいれば、長い育休期間に悩む人もいる

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