【FP監修】育休手当の給付はいつまで?育児休業給付金の計算方法を解説

出産や育児で仕事を休むときに支給される給付金、とっても助かりますよね。安心して子育てするためにも、出産・育児休暇でいくら給付金がもらえるか、あらかじめ調べておくことは大切です。
本記事では、おもに育休で支給される育児休業給付金に関して、給付条件や給付期間、金額や申請方法までFPがわかりやすく解説します。是非参考にしてくださいね。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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産休・育休のときにもらえる手当は?

出産・育児でお休みをもらう時、会社からのお給料は支払われませんが、出産手当金や育児休業給付金が支払われます。まずは、産休・育休にあたってもらえる手当について詳しく見ていきましょう。

出産一時金:健康保険より分娩時に払われる

出産一時金とは、分娩費用の補助として加入する健康保険組合から支給される手当です。国民健康保険、もしくは会社の健康保険に加入している妊婦を対象とし、出産一時金として42万円が支給されます流産や死産となった場合であっても、妊娠12週以降の出産であれば支給が受けられ、多胎児出産の場合は胎児の人数分の金額を受け取れます。ただし、産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産の場合、支給額は40.4万円となり、在胎期間が22週未満での分娩も同様に40.4万円の支給となります。

出産一時金について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

出産手当金:産休中の生活支援

出産手当金とは、産休・育休中の休業補償として支給されるもので、出産により収入が減少してしまう方の生活支援を目的としています。出産する本人が勤務し、その勤務先の健康保険に加入していることが条件です。支給額や支給日数は、給与や出産日によって異なります。
この出産手当金は、国民健康保険の加入者や自営業の方には給付されないので注意が必要です。
ただし、出産予定月または出産日月の前月から4ヶ月間(多胎妊娠の場合は3ヶ月前から6ヶ月間)の国民年金保険料が免除されます通常の国民年金保険料の免除とは異なり、将来の年金支給は保険料を支払った場合と同様に扱われます。これは国民年金に関してで、国民健康保険は免除になりません。また、妊婦になると自動的に免除となるわけでは無く、年金事務所や市町村役場での申請が必要となりますので注意が必要です。

出産手当金の支給条件や支給額について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

育児休業給付金:育休中の生活支援

育児休業給付金は、育児休暇を取っている方の生活保障として、雇用保険から(公務員の場合は共済組合から)支給されますこれは保険者休業開始(産休後)から子どもが1歳になるまで(保育園が決まらないなどの理由によっては2歳になるまで)支給されるものです。支給には勤務日数や雇用保険の有無などの条件があり、この条件を満たしていれば契約社員やパートであっても受け取れます。また、金額は給与によって決まり、個人で差があります。
毎月保険料がお給料から天引きされている雇用保険は、失業したときにしか役立たないと思っている方もおられるでしょうが、出産育児に関して心強い制度があるんですね。
この育児休業給付金も出産手当金と同様に国民健康保険の加入者や自営業の方には給付されません
では、育児休業給付金についての詳しい条件などをみていきましょう。

育児休業給付金の条件は?いつまでもらえる?

まず、育児休業給付金の受け取りについて、条件や期間など詳しく見ていきましょう。

雇用保険に入っていない人はもらえない

育児休業給付金は、雇用保険から支払われます。ですので、給付にはまず雇用保険に加入していることが条件となります

他にも以下の条件に該当する必要があります。

  • 育休を取る前の2年間で11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
  • 育休中に育休前の8割以上の賃金を受け取っていないこと(1ヶ月ごと)
  • 育休中の就業日数が月10日(10日を超える場合は、就労している時間が80時間)以下であること

育児休業給付金の支給イメージ1 育休 手当 いつまで

育児休業給付金は育休後の職場復帰を前提としたものなので、育休当初から退職が決まっている場合には支給対象となりません育児休業給付金をもらい終えてから会社を退職することは可能ではあるのですが、やむを得ない事情がない限り望ましい行為ではないんですね。

パートや派遣でも雇用保険に入っているともらえる

育児休業給付金は、雇用保険に入っていれば、正社員だけでなくパート勤務や派遣社員であっても受け取れます。雇用保険は、「31日以上の雇用見込みがあり、週20時間以上働いている」などの条件を満たしていれば加入義務が生じるものただし働いている職場自体が雇用保険の対象とならない場合もあるので、雇用保険の有無が不明な方は職場に確認しておきましょう。

パートや派遣社員が育休を取得する条件

  • 同一の事業主に1年以上続けて雇用されていること。
  • 子どもの1歳6カ月の誕生日以降も雇用継続が見込まれること。

これらの条件を満たしていれば、パートや派遣社員であっても育休を取得できます。
また、会社の労使協定によって週の所定労働日数が3日以上といった条件がある場合もあるので、ご自身の労働条件や就業規則をしっかり確認されるようにして下さい。

子供が1歳になる日の前日までもらえる

育児休業給付金の給付期間は子どもが1歳になる日の前日までが対象となります。しかし、保育所が決まらない、または配偶者が養育できなくなったなど、やむを得ない理由により職場復帰ができない場合には、最大2歳までの延長が可能です。育児休業給付金の給付期間延長についての条件は次章でご紹介します。

パパママ育休プラスを使えば1年2ヶ月に延長可能

育児休業給付金を受け取れる育児休業制度には、「パパママ育休プラス」という付加制度が設けられています。これは、夫婦揃って、または交代で育休を取得しやすくなるよう制定された休業期間の延長制度のこと。通常夫婦が取得できる育休期間はそれぞれ最大1年間(妻は出生日と産後休業、育児休業期間を合わせて1年間)ですが、この制度を用いた場合、子どもが1歳2ヶ月になるまで適用期間が延長されます
また、育休はこの間に連続して1回取得するのが原則とはなっていますが、ママが出産後8週間以内の産休期間中にパパが育休を取得した場合は、パパはその後もう一度育休を取得することができます。
パパママ育休プラスはパパの子育て参加を促すために制定されたもの。ママだけでなくパパも育休を取りやすくなることで、女性の社会復帰促進も期待できます。ただ、まだ制度自体の認知度が低いのが実情です。

パパママ育休プラス制度について詳しくはこちらの記事をチェックしてください

育児休業給付金は支給期間を最大2回、2歳まで延長できる

育児休業給付金は2歳まで(最大2回まで)の延長が可能です。ここでは、延長が適用される要件について詳しく見ていきましょう。

保育園が決まらない場合

育児休業給付金の支給期間延長理由としては、まず保育園が決まらないということが挙げられます。これは、保育所に入所希望を行なっているものの当面の入所ができなかったり、保育所側の理由により子どもを預けられなかったりと、保育所に入りたくても入れない方に適用されます。いわゆる「待機児童」の場合です。
この場合、子どもが1歳の誕生日の前日時点で保育所待機なら1歳半まで、子どもが1歳6ヶ月を迎える前日時点で保育所待機なら2歳までの2回、延長が可能です。

養育が困難になった時

何らかの理由により配偶者による養育が困難となった場合も、育児休業給付金の支給期間延長対象となります。具体的な理由としては、子どもを養育する配偶者の死亡・病気・怪我、または離婚などが挙げられます。また、母親が産前6週間~産後8週間にあたる場合にも、この対象となります。

公務員は3歳の誕生日の前日までとれる

一般企業の場合は育休を1年と定めていることが多いですが、公務員の場合は子どもが3歳になる前日までの育休が法律によって定められています。しかし、育児休業給付金の支給期間は公務員以外の人と同じ1年間。もちろん待機児童などの理由で延長の場合は同様に1歳6ヶ月まで、2歳までと2回延長はできます。給付金が3年間支給されるわけではないので、無給期間ができてしまいます。そのため、金銭状況を踏まえ、育休期間を計画的に決めておくことが大切です。

育休給付金の計算方法は?いつから支給される?

育休中の生活を助けてくれる育児休業給付金ですが、その額はどのように算出すれば良いのでしょうか。ここでは、給付金の計算方法に加え、給付開始時期についてもご紹介していきます。

産休が終わる翌日分からの支給

育児休業給付金の支給について、まず押さえておきたいのが、産休と育休の期間について。産休の期間は、産前休業が6週間・産後休業が8週間とされています。そして、育休は産休の翌日から始まり、子供が1歳になるまでの期間支給されます。

育児休業給付金の支給イメージ2 育休 手当 いつまで

上の図からもわかるように、育児休業給付金は、育休期間中に給付される手当なので、産休が終わる翌日分からが支給対象となります

育休を取得してから2ヶ月後に支給される

育児休業給付金は、2ヶ月ごとの支給となります。そのため、はじめの支給日は、給付金の対象となる育休期間開始から約2ヶ月後となります。申請手続きをした時期によっては、これよりも遅くなることもあるので注意しておきましょう。

育休給付金の計算方法

育児休業給付金の計算方法を、具体例を挙げて見ていきましょう。
育児休業給付金の計算式は以下のようになります。

育児休業開始から6ヶ月間
  休業開始時賃金日額 × 支給日数の67%

育児休業開始6ヶ月後から育児休業終了日まで
  休業開始時賃金日額 × 支給日数の50%

※休業開始時賃金日額とは、産休前6ヶ月の賃金を180で割ったもの(残業代なども含む)です。

では、月給25万円の人が、子供が1歳になるまで育休給付金を受給した場合の具体例を見ていきましょう。

■月給25万円、子ども1歳まで受給の場合

育休開始(産後8週間)から6ヶ月間
  25万円 × 0.67 × 6ヶ月 = 1,005,000円

育休開始6ヶ月後から子ども1歳まで
  25万円 × 0.5 × 4ヶ月 = 500,000円

  1,005,000円 + 500,000円 = 1,505,000円

この場合、子どもが1歳になるまでに受け取れる育児休業給付金は約150万円となります。
もちろん育児休業給付金は課税の対象外となります。

育休給付金には上限額がある

産休前の給与によって給付額が変わる育児休業給付金ですが、これには支給の上限・下限も設定されています。
現在、支給対象となる給与月額の上限は449,700円、下限は74,400円となっています。これを元に支給額を算出すると、育児休業開始から6ヶ月間は301,299円(月額×67%)、育児休業開始6ヶ月超過後は224,850円(月額×50%)がそれぞれ上限となります。
ただし、給付上限額は毎年8/1に改定されるので、上記は2019年(令和元年)7月末までの数字となります。

育休後に退職したらどうなる?

先述のように、育児休業給付金は復職を前提としているため、育休当初に退職が決まっている場合には支給されません。では、育休後に退職が決まった場合にはどうなるのでしょうか。
この場合、すでに受け取った給付金については、返還する必要はありません。給付金は1ヶ月という支給単位期間ごとに算出されていますが、退職する場合、退職日が含まれる支給単位月の前の月までの給付金が支給されます。退職日によって手当の支給日数や受け取れる総額が変わるため、いつを退職日にすべきかについてもよく確認しておいてください。

育休手当の申請方法

育児休業給付金を申請するためには、「育児休業給付金支給申請書」や「育児休業給付受給資格確認票」の記入・提出が必要となります。申請用紙は年金機構か全国健保協会(協会けんぽ)、共済組合のホームページなどからダウンロードできます。
ここからは、「育児休業給付金支給申請書」を含めた手続きの流れや注意点を見ていきましょう。

申請手続きの流れ

先ほど触れたように、育児休業給付金の申請には、「育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票」の記入が必要となります。この書類は、オンライン上でのダウンロードもしくはハローワークで入手できます。その後、勤務先から必要な書類を受け取り、勤務先管轄内のハローワークに提出します。下図でも流れをご確認ください。

育児休業給付金の申請方法 育休 手当 いつまで

上の図ように、給付金の申請手続きは、妊娠や出産予定日の報告をしていれば勤務先が書類を全て用意し、申請してくれることが多いです。しかし、手続きを自分で行わなければならない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。支給が決定すれば、支給金額や単位機関が記された育児休業給付金支給決定通知書が届きます。

申請は2ヶ月ごとに必要

育児休業給付金申請は、2ヶ月ごとに必要となります。2回目以降の手続きでは、申請書に加え、申請書の内容を裏付ける出勤簿や台帳などが必要となります。これも会社が手続きを行い、育休中の本人は書類に署名捺印のみを行う場合がほとんどです。

申請期限を過ぎると支給されない

育児休業給付金申請には、申請期限があります。

1回目の受取り…
育児休業開始日から4ヶ月目となる日が属する月の月末まで

2回目以降…
支給対象期間の初日から4ヶ月目となる日が属する月の月末まで

この期限までに申請書類の提出が間に合わなかった場合、給付金は受け取れません。期限を把握し手続きの予定を立てて、書類の提出を忘れないよう気を付けましょう。

育休中は社会保険料の納付が免除される

育児休業期間中には、給付金を受けられるだけでなく、社会保険料の納付も免除されます(ただし、国民健康保険の加入者は対象外です)。また、これにより年金などの受け取り金額が減額されることはなく、保険料免除は育休終了の前日まで続きます
ただし、社会保険料免除を受けるためには、事業主を通した産前産後休業の場合は「産前産後休業取得者申出書」、育児休業の場合は「育児休業等取得者申出書」の提出が必要となるので、忘れないように事業主に申し出をしましょう。また、育休中であっても賃金が支払われた時には雇用保険の納付が必要となります。

子供の将来の学資金のために、早めの学資保険の加入がおすすめ

産休や育休を申請する頃には、生まれてくる子どもの学資保険についても考えておきましょう。学資保険には、出生前に加入できるものもあり、早くから備えておくことで、より計画的な学資金の蓄えが可能となりますここでは、生まれてくる子どものための学資保険について触れておきましょう。

学資保険は払込免除特約の保障が魅力

学資保険の多くには、払込免除特約が設定されています。これは、保険料を支払う契約者が死亡した場合、もしくは高度障害に陥った場合に、その後の払込保険料を免除されるというもの。満期時には通常の払い込みと同様に学資金を受けとれるので、親に何かあった場合にも子どもの将来の学資金を確保することができます。
子どものため万が一に備えるなら、学資保険へ加入しておくことが有効です。

早めの加入で返戻率がアップ!

学資保険では、親と子どもの年齢が低いうちから契約するほど、保険料は安くなります。毎月の家計の負担も少なくなるので、気になる方は早めの加入を検討しましょう。
ただし、支払った保険料に対する給付金の率を表す返戻率には注意が必要です。学資保険の中にはこの返戻率が低く元本割れを起こす場合もあるので、なるべく返戻率の高い学資保険を選ぶのがおすすめです

返戻率の高い学資保険については、こちらの記事で詳しくご説明しています。

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まとめ

産休・育休中に支給される手当についてご紹介しました。
出産育児には何かとお金がかかるもの。さまざまな手当は生活の助けになります。
出産を控えておられる方は、事前に手当の概要や手続きについてきちんと把握しておき、手当の受け取り忘れがないようにしましょう。

  • 「出産一時金」は健康保険加入者全員、「出産手当金」「育児休業給付金」は勤務している人のみに支給
  • 「育児休業給付金」は子どもが1歳まで、場合によっては2歳まで延長可能
  • 「育児休業給付金」の支給額は月給の67%もしくは50%で、2か月ごとの支給
  • 「育児休業給付金」の申請手続きは期限必須!会社とも連携して行おう
  • 産休・育休の際には学資保険も検討を。返戻率にも注目!

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