【FP監修】法律で認められた育児時間とは?使い方や給与について解説

働きながら子供を育てるママ、増えていますね。がっつり育休を取る人もいれば、なかには子供が1歳になる前に仕事に復帰する人もいます。
でも、子育てと仕事の両立は想像以上に大変で体調を崩してしまったり、悩めるママも多いはず。
そんな子育て中の労働者に認められた制度は色々あります。本記事では1歳未満の子供を育てる女性に認められている「育児時間」制度について解説します。他の制度との違いや具体的な活用例など、ぜひ参考にしてください。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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育児時間とは?労働基準法で請求が認められている

育児時間は、1歳未満の子供を育てる女性労働者が1日2回、それぞれ30分以上子育てのための時間を請求する権利で労働基準法で定められています。この制度は女性労働者のみに認められており、もともと労働法で定められている休憩時間とは別に請求することができます。

労働基準法第67条
(育児時間)
1.生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
2.使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。

この育児時間は、産前・産後休業や育児休業と比べ、あまり知られていません。この育児時間が適用されるのが、生後1歳になるまでという期間の関係で、育休を取得中の人が多いことも、知名度が低い理由として考えられます。
しかし、最近では、子どもが1歳の誕生日を迎える前に職場復帰をする人が増えています。そのような人にとっては、子育てと仕事の両立のために、育児時間の有効活用は積極的にしたいところ。今回は、この「育児時間」についてを詳しくご紹介していきます。

パートタイマーも対象になる

育児時間は、女性労働者であれば、正社員に限らず、どのような雇用形態であっても請求できるものです。パートタイマーなどの有期契約労働者もまた、申請があった場合は、会社は応じなくてはなりません。

しかし、労働基準法のなかの育児時間の項目は、もともと8時間勤務をしている女性労働者を対象としたもの。そのため、パートタイム労働者のような短時間勤務で、1日の勤務時間が4時間を下回る場合には、通常の半分である1日1回30分の育児時間でも構わないとされています。

パートタイム労働者が育児時間を申請する際には週あたりの労働時間に注意が必要です。健康保険法では、週20時間の就労が社会保険の加入条件となっています。社会保険を継続したい場合は、労働時間が週20時間をきらないように気を付けましょう。

育児休業制度について詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

育児時間の給与については就業規則を確認

労働基準法のなかには育児時間の規定があるものの、給与については会社の判断にゆだねられています。平成27年度雇用均等基本調査では、回答をした会社のうち、育児時間を有給としている会社は全体の17.4%と多くはありません。また、有給としている会社でも、全期間100%の給与が発生するのは65.9%となっています。
育児時間を利用している人は少なく、その時間の給与はあまり期待できませんが、一度勤め先の労務担当者に確認してみましょう。

厚生労働省統計調査 平成27年度雇用均等基本調査結果
※PDFが開きます

育児時間は女性労働者のみに認められている

育児時間は、男性労働者は対象外です。もともと授乳のための時間として認められた権利であることが理由として考えられます。しかし、労働基準法のなかで、育児時間の使い道は授乳に限定されていません。実際には、育児時間の過ごし方は申請者の判断に任せられているケースが多く存在しています。

育児時間は申請が必要

育児時間を取得するには申請が必要となります。労働基準法では、申請のタイミングや申請方法についてまで明記されていません。実際には、会社と労働者の間で直接やり取りされている場合が多いので、勤めている会社の就業規則で申請方法をご確認ください。

育児時間と時短勤務の違い

認知度の低い育児時間とは異なり、時短勤務については、知っている人も多いのではないでしょうか。これらの制度は、育児・介護休業法に定められており、育児時間とはまったく別の制度です。

時短勤務とは
時短勤務制度(時短制度)は、3歳までの子どもを育てる労働者が、育児と仕事の両立させるための制度のこと。育児・介護休業法により企業は時短勤務制度の措置を導入するのが義務となっている。

時短勤務による給料の減額は、会社の規定によって決められていますが、勤務時間を短縮したぶんの報酬が減ってしまうことがほとんど。基本給が減ってしまうと、それに応じて手当も減ってしまうので、申請を検討する際は注意しましょう。

時短勤務の種類は、労働時間を原則6時間にする以外にも時間外労働や深夜労働の免除も申請できます。
職種によっては、時短勤務が難しいケースもありますよね。そのような場合でも、事業主は以下のような代替策で対応する必要があります。

  • 育児休業に準じる措置
  • 始業時間の繰り下げや、終業時間の繰り上げ
  • フレックスタイム制度(変形労働)の措置
  • 企業内に保育施設を設置

時短勤務は、従業員を対象者としているので、使用者側である管理者は適用されません。しかし、管理監督者であっても、育児のために勤務時間を短縮する措置は国に推奨されています。
また、時短制度が対象とならないケースは他にも存在します。日雇いの従業員や、1週間あたりの所定労働日数が2日以下である従業員は取得できない場合がありますので、勤め先の就業規則を確認しましょう。

育児時間のメリットや上手な使い方

育児中であれば、少しの時間でも有効活用したいところ。この章では、育児時間の取得例やどのようなメリットがあるのかについてお伝えしていきます。

子供の急な病気や怪我での通院に

子どもを育てていれば、急な予定変更はよくあることです。たとえば、病気やケガは突発的に起こることが多く、さらに急な対応を迫られます。そんな時、育児時間を活用すれば、出勤時間を遅らせるなどの対応が可能です。

  • 保育園を休ませるほどではないが、せきや鼻水のための薬が欲しいときに出勤時間を遅らせる
  • 子どもの歯科検診のために、一時間早く早退して受診する

以上のような、子どもの用事や通院のための時間として活用できます。通常の8時間勤務だと、病院などは時間内に行くのは難しいため、育児時間が取得できると助かりますね。

保育園の時間延長が無理な人に

保育園によっては1歳未満の子どもの預かり時間が短い場合も。そのような時に、育児時間を使いお迎えを早めることができます。早く迎えにいくこと、夕方以降の家事や子育てに時間を多めに割くことができます。専業主婦であっても、子育ては忙しいもの。働いている人にとっては、育児時間で少しでも自宅へと戻る時間が早まるのはうれしいですね。

時短勤務の取得中でも利用できる

広く知られている時短勤務と、育児時間は併用できるものとされています。3歳以下の子どもを育てるために短縮勤務を認める時短勤務と、授乳のために定められた育児時間では、目的がまったく異なるからです。育児時間は、通常認められた休憩時間のほかに、育児のための休憩を認めるものなので、合わせて取得することができます。
時短勤務と育児時間を組み合わせることで、子どもの対応に臨機応変に合わせることができます。例えば、一時間の時短勤務と一時間の育児時間とをつなげれば、まとめて2時間の休憩を取得が可能です。都合に合わせて利用の仕方を変更できるのは、とても助かりますね。

育児時間の活用例

育児時間は、現在は知名度も低く申請する女性労働者は多くありません。しかし、取得する時間帯や用途に縛られず、柔軟に利用することができるので、使い方によってはとても便利な制度といえます。さまざまな使い方のうちの一部をご紹介しますね。

育児時間の活用例 育児時間 法律

  • 始業に合わせて取得し「1時間遅れの出勤」や、終業に合わせて「1時間早い退勤」にする
  • 始業と終業にそれぞれ30分間の育児時間をつなぎ、「30分遅い終業、30分早い終業」にする
  • お昼の休憩に合わせて取得し、「午後の勤務を1時間短縮」にする

どのような勤務時間が良いのかは、各家庭によってさまざま。生活に合った方法で上手く活用すれば、女性労働者にとって心強い制度となりますね。

仕事と育児両立を支援する半育休という制度に関して、詳しくはこちらの記事をチェックしてください。

まとめ

共働き家庭が増えている近年、出産後の女性の働き方にも、幅広い選択肢が求められるようになってきています。子育てと仕事の両立のための政策は、積極的に利用したいところですね。これまであまり注目されていなかった「育児時間」は、今後希望する人が増えることが考えられます。子どもが1歳に満たないうちに職場復帰をする予定の人は、まずは職場の就業規則を確認してみてくださいね。

  • 育児時間は、女性労働者に認められている制度で、1日2回30分ずつの時間を育児に充てるために使用できる
  • 育児時間は、短時間勤務制度との組み合わせが可能。始業を遅らせたり、終業を早めたりと使い方に応用がきく
  • 育児時間を上手に活用することにより、急なケガや病気、用事などに対応できるようになる

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