
子供が産まれたら、まず考えたいのが将来の教育費ですよね。教育費の中でも一番お金がかかるのは大学入学時で、国公立大学の入学金や初年度の授業料だけでも100万円近くのお金が必要になります。
大切な子供の将来ために、それまでには確実に教育資金を貯めておきたい。
そんな時に手助けとなるのが学資保険。マイナス金利政策で銀行に預けてもほとんど利息がつかない現在、学資保険のほうが効率的に貯蓄することができるんですよ。
学資保険を選ぶときにポイントになるのは、返戻率の高さ!うっかり返戻率が低い学資保険に入ってしまうと、将来の貯蓄額に大きな差が出てしまいます。
そこで今回はファイナンシャルプランナーのプロの目線で学資保険のポイントになる返戻率について詳しく解説!返戻率ランキングと各学資保険の特徴を詳しく紹介していきます。
【この記事の監修】

西田 凌
複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。
FP2級・AFP 資格保有
学資保険で教育資金を貯めるメリット
学資保険とは、子供の進学等にかかる、教育資金準備を目的とした保険です。毎月決まった額の保険料を支払い、契約時に設定した子どもの年齢(15歳、17歳、18歳、22歳など)に合わせて、祝い金や満期保険金として給付金を受け取ることができます。
学資保険は銀行の預金と違い、教育費を貯蓄するうえで様々なメリットがあります。
契約者である親が死亡するなど万一のことがあった場合、以後の保険料が免除されます。満期時には満期金や祝い金を受け取ることができ、親にもしものことがあった場合でも教育費を確実に受け取ることができます。
2.銀行預金より利率が高い
現在の銀行預金利率は定期預金で0.1%程度。返戻率が高い学資保険は利率に換算すると0.4%程度なので、銀行預金より約4倍程度利率が高くなります。
3.税金で控除が受けられる
学資保険の保険料は生命保険料控除の対象となります。払込保険料がその年の所得から差し引かれ、年末調整や確定申告で払いすぎた税金が還付されます。
このように、学資保険には大きなメリットがあります。銀行にコツコツ貯金していっても増えるお金はわずか。少しでもお得な学資保険で効率的に貯蓄したいですよね。
学資保険と貯金の違いについて詳しくはこちらの記事をチェックしてください。
学資保険を選ぶ時のポイントはズバリ返戻率!
保険会社各社で販売されている学資保険、種類が色々あって何が良いのか悩んでしまいますよね。多くの人は「できるだけ多く教育費をためておきたい!」そう思っているはず。
そんなとき、ポイントとなるのは「返戻率」。返戻率とは簡単にいうと、支払った保険料に対して戻ってくるお金の割合のこと。つまり、この返戻率が高いほど貯蓄性が高いということになります。
返戻率の計算方法
返戻率は、払込総額保険料に対して、将来受け取れる金額(学資金やお祝金、満期保険金、学資年金など)の割合で求めます。
受取金総額と、支払った保険料が同じ金額だった場合は、返戻率は100%になります。
支払った保険料より受け取れる金額が多い場合、返戻率は100%を超え、逆に受け取れる金額の方が少ないと、返戻率は100%を下回り、「元本割れ」となります。
このように学資保険を選ぶ際、「返戻率の高さ」はとても重要なポイントとなってきます。
最近の返戻率の推移は?
マイナス金利の影響で、多くの学資保険で返戻率がダウンしています。最近では返戻率が100%を切る商品も沢山あります。元本割れするような保険では貯金していたほうがいいですよね。
そんななかでもソニー生命、フコク生命など返戻率が高い学資保険はまだあるんですよ。最新の返戻率とプランを比較し、検討することが大切です。
[2019年最新版]学資保険の返戻率ランキング~FPがおすすめ10社を徹底比較
ここでは保険のプロFPがおすすめする10社の学資保険の返戻率をランキング形式でまとめました。
それぞれの特徴やシミュレーション例も紹介します。学資保険選びの参考にしてください。
1位:ソニー生命 学資金準備スクエア
返戻率 | 107.2% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 10年(0歳~10歳) |
払込保険料総額 | 1,864,800円 (月払い保険料15,540円) |
受取学資金総額 | 200万円 |
- 業界トップの返戻率で貯蓄性が高い
- 大学入学の年から毎年学資金が支払われるⅢ型の返戻率が最も高く、一番人気!
- プラン設定が細やかで、家計に合わせた払込方法や受取方法を選べる
- 専門のライフプランナーに相談することができる
2位:フコク生命 みらいのつばさ(ジャンプ型)
返戻率 | 105.5% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 11年(0歳~11歳) |
払込保険料総額 | 1,894,728円 (月払い保険料14,354円) |
受取学資金総額 | 200万円 |
- 大学進学に重点を置いて学資金を準備するプラン
- 大学入学時に祝金をまとめて受け取ることで、貯蓄性を高めることができる
- 兄弟割引があり、二人目からの保険料が割引になる
- 保険料の払込は11歳までで、教育費がかかる高校のときの保険料負担がない
3位:明治安田生命 つみたて学資
返戻率 | 104.8% |
契約者年齢 | 25歳男性 |
保険料払込期間 | 10年(0歳~10歳) |
払込保険料総額 | 1,907,880円 (月払い保険料15,899円) |
受取学資金総額 | 200万円 |
- 教育資金(基準保険金額)が70万円以上の場合、高額割引で受取率が上がる
- 保険料の払込は、もっとも長いプランでも15歳で終了する
- 契約者が万が一のときには、それ以降の払込が免除される
4位:日本生命 ニッセイ 学資保険(こども祝い金なし型)
返戻率 | 104.0% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 18年(0歳~18歳) |
払込保険料総額 | 2,883,600円 (月払い保険料13,350円) |
受取学資金総額 | 300万円 |
- 大学入学時から毎年1回、合計5回の学資年金を受け取れる
- 学資保険には珍しく配当金がある
- 24時間365日無料の育児相談が受けられる
5位:住友生命 こどもすくすく保険
返戻率 | 101.7% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 12年(0歳~12歳) |
払込保険料総額 | 1,179,648円 (月払い保険料8,192円) |
受取学資金総額 | 120万円 |
- 中学、高校、大学入学時に祝金を受け取れる
- 保険金の受取総額は低めだが、毎月の保険料が8,000円弱なので入りやすい
- 2つの医療特約があり、子供の入院や手術の給付金が支払われるが、元本割れする
6位:第一生命 こども応援団
返戻率 | 100.8% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 15年(0歳~15歳) |
払込保険料総額 | 2,974,500円 (月払い保険料16,525円) |
受取学資金総額 | 300万円 |
- 返戻率はそれほど高くないが、貯蓄性はある
- ガン、心筋梗塞、脳卒中でも払込免除保障が適用される
7位:オリックス生命 終身保険RISE(ライズ)
返戻率 | 100.5% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 15年(0歳~15歳) |
払込保険料総額 | 2,357,100円 (月払い保険料13,095円 |
解約返戻金総額 | 237万円 |
- 学資保険の代わりに契約されることが多い終身保険
- 安い保険料で一生涯の死亡保障がつき、死亡給付金が支給される
- 重い介護状態や、余命半年以内と判断された場合は、前払いで保険金が支払われる
- 保険料払込終了後は解約返戻金が上がり、学資金に充てることができる
8位:JA共済 こども共済「学資応援隊」
返戻率 | 102.6% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 18年(0歳~18歳) |
払込保険料総額 | 2,923,938円 (年払い保険料162,441円) |
受取学資金総額 | 300万円 |
- 年払い保険料にすると返戻率が高い(月払いだと100.4%程度)
- 子供の保障もついている
- 子供が12歳まで、契約者は75歳までと契約可能年齢が幅広い
9位:アフラック 夢見るこどもの学資保険
返戻率 | 98.1% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 10年(0歳~10歳) |
払込保険料総額 | 3,055,200円 (月払い保険料25,460円) |
受取学資金総額 | 300万円 |
- 保険金受取総額を120万円〜1,500万円まで設定できる
- 返戻率は低く元本割れする
10位:かんぽ生命 はじめのかんぽ
返戻率 | 95.5% |
契約者年齢 | 30歳男性 |
保険料払込期間 | 18年(0歳~18歳) |
払込保険料総額 | 3,142,800円 (月払い保険料14,550円) |
受取学資金総額 | 300万円 |
- 学資金の受取時期を3つのコースから選ぶことができるが、どのコースも元本割れしている
- 学資金の必要時期に備え17歳満期も選べる
- こどもの入院や手術などに対する医療保障特約もつけられる(育英年金付き学資保険は現在廃止)
返戻率が一番高いのは、ソニー生命の学資金準備スクエアという結果になりました。それぞれの学資保険によって、保障内容や払い込み期間なども違ってきますが、やはり返戻率の高さは大切なポイントとなります。
では、ここからは返戻率を高くする方法について解説します。
返戻率を高くする方法は?
返戻率は保険会社によって違いますが、同じ保険会社の商品でも、契約内容によって違ってきます。せっかく学資保険に加入するなら、出来るだけ返戻率を上げて、受取額を多くしたいですよね。
返戻率を上げるには4つの方法があります。
保険料の払込期間を短くする
保険会社は、短期間で保険料の払い込みをしてもらった方が資金を運用に回しやすいため、払込期間が短いほど保険料は安くなるように設定されています。
払込期間を短くすることによって保険料が安くなっても、満期時の受取額の総額は変わらないので、自ずと返戻率が上がることになります。
ただし、短期間で保険料を払いきってしまうということは、その分毎月の支払額は高くなるので、家計に合わせた無理の無い範囲で、払込期間を設定する必要があります。
保険料を一括払いにする
学資保険の支払い方法には、月払い、半年払い、年払い、一時払い、全期前納などがあります。
月払い 半年払い 年払い |
毎月、半年ごと、1年ごとに支払う方法 |
一時払い | 契約時に保険期間の全保険料を1回で支払う方法 |
全期前納 | 将来の保険期間の全保険料を1回で支払う方法 |
保険会社は保険料をまとめて支払ってもらえると長期の運用ができるため、割引率を高く設定しています。
なるべく無理をせず返戻率を上げるには、年払いにするのがおすすめです。
また資金に余裕がある場合は、保険料を一括で支払う一時払いや全期前納にするとさらに返戻率を上げることができます。
一時払いと全期前納の違いについて詳しくはこちらの記事をチェックしてください。
加入時期は早いほどよい
学資保険の加入には、契約者(親)と被保険者(こども)の年齢制限がそれぞれ設けられています。
加入可能年齢は学資保険を扱う会社ごとに変わってきますが、一般的には未就学児までというところがほとんどです。
また、契約年齢が上がればその分保険料も上がるので、学資保険の加入を考えている方はできるだけ早い時期に加入することをおすすめします。
早ければ早いほど保険料は安くなり、返戻率も上がります。
学資金の受取時期をできるだけ後にする
学資金の受取時期は契約プランによってそれぞれ異なってきますが、小学校、中学校、高校の進学時にその都度祝金を受け取るようなプランにした場合、保険会社は早い時期に学資金を支払わなければいけないため、返戻率が上がりません。
返戻率を上げるためには、保険料の運用期間を長くすることがポイントです。
大学入学時にまとめて学資金を受け取ったり、また20歳を過ぎてから受け取るようにするなど、できるだけ受取時期を遅くすることで、返戻率を上げることができます。
学資保険の返戻率をアップする方法について詳しくはこちらの記事をチェックしてください
まとめ
1人のこどもの教育費は、たとえば幼稚園から大学まですべて公立に通った場合で約1,000万円、すべて私立に通った場合は約2,800万円かかると言われています。だからこそ、計画的に学資金を準備するための学資保険が必要になってきます。そして学資保険をかけるなら、少しでも多く学資金を受け取れる、返戻率の高い商品を選ぶことが大切です。
多くの学資保険でwebでの資料請求や無料相談などもできるので、まずはそちらを試してみることをおすすめします。
返戻率を上げるためのポイント
- 保険料の払込期間をできるだけ短くする
- 保険料を一時払いや全期前納払いで納める
- 学資保険に加入するなら早い時期に
- 学資金の受取時期をできるだけ後にする
- 返戻率がもっとも高いのは、ソニー生命の学資金準備スクエア
