【FP監修】外貨建て保険は学資保険の代わりになる?デメリットを調査

低金利時代の今、お金を貯めるのって、なかなか大変ですよね。子どもの将来のための学資保険の金利も軒並みダウンしています。
そんななか、「学資保険に入るなら外貨建て保険への加入を」と保険販売店から勧められた話もチラホラ耳にします。外貨建て保険は金利が良いことが特徴ですが、一方でリスクやデメリットも少なくありません。本記事ではFPが外貨建て保険の特徴を徹底解説。外貨建て保険についてよく知った上で、外貨建て保険か学資保険のどちらに加入するか検討してくださいね。

【この記事の監修】

ファイナンシャルプランナー 西田 凌 学資保険プロ

ファイナンシャルプランナー
西田 凌

複数の保険総合代理店にて勤務後、より多くの方に「正しい情報」を届けるために、現在は完全独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍中。
年間100世帯の面談経験を元に、個人のコンサルティングやweb上での相談サービスに加え、お金の専門家として様々な情報サイトで執筆を手掛ける。
保険のみならず、年金や社会保険、資産運用や老後資金など幅広い知識で家計にベストなアドバイスを行うFPとして人気が高い。

FP2級・AFP 資格保有

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外貨建て保険とは?

外貨建て保険は保険料の運用に外貨を用いられている保険です。保険加入者は米ドルであればドル建てで保険料を支払います。保険会社はその保険料を運用し、加入者が受け取る保険金や解約返戻金も日本円ではなく外貨になります。

金利がよく、保険料が安い

日本では2016年のマイナス金利政策の影響で、学資保険に加入しても返戻率がそれほど良くなく教育費を増やせないのが現状です。一方で外貨建て保険の対象外貨は米ドル、ユーロ、豪州ドルが一般的で、日本に比べ金利がよく、保険料も安いことが多いのです。

為替相場によって保険料や保険金額が変わる

支払うドル建ての保険料や将来受け取る保険金額はあらかじめ決められていますが、為替相場は毎日変動します。つまり外貨建て保険を購入した場合、為替相場の変動により実質的な保険料や保険金額も変わるということになります
たとえば、保険金10万ドルの金融商品を購入し、毎月100ドルの保険料を支払っているとします。支払いも米ドル建てなので1ドル=90円のときの保険料は9,000円ですが、1ドル=110円のときの保険料は11,000円になります。円安になるほど保険料が高くなり、家計にも影響が出かねないことは念頭に置いておいたほうが良いでしょう

学資金の貯蓄に外貨建て保険か学資保険、どっちがいい?

日本では低金利政策のため、利回りが悪い状態が続いていることから、保険会社で学資保険の代わりに外貨建て保険を勧められるケースが増えています。ソニー生命や大樹生命などの大手保険会社でも販売を始めた外貨建て学資保険。では教育資金の貯蓄に充てるのに向いているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

外貨建ては保険は学資保険より返戻率が高い

ゼロ金利政策の日本に比べると、アメリカの政策金利は2~2.25%、オーストラリアも1.0%と高くなっています(2019年9月13日現在)。積立利率と呼ばれる保険会社が想定する利回りが、日本の保険では1%切ってしまうのに対しアメリカは2%前後になっていて、返戻率も高くなります。学費の貯蓄として充てられたらいいと考える人もいるかもしれませんね。

為替リスクがあることを承知して

外貨建て保険の支払いや満期金、解約返戻金などの受け取りはすべて外貨で支払われます。つまり受け取るときの金額も外貨為替の変動に影響されるということになります。受け取る日が1日違うだけで、返戻金の金額が大きく変わる為替リスクをあらかじめ理解しておかなければなりません。

外貨建て保険を学資金に充てる場合のデメリット

保険を購入して学資を準備する際に大切なことは、必要な時に必要な額を確実に受け取れることです。その観点から外貨建て保険は学資保険の代替になるのでしょうか。保険会社から勧められ「なんとなく金利が高いから良さそう」では危険です。わからなくてつい曖昧にしがちなデメリットもしっかり把握しておきましょう。

為替により元本割れすることも

為替リスクがあっても、たとえば老後資金や死亡保障のために購入した終身保険であれば、為替レートの良いときに日本円に換金することも可能です。でも学費の振込は待ったナシ、決まった時期に手元にまとまった資金を置いておくことが必須ですよね。そうすると為替レートの良し悪しに関わらず換金しなければならず、せっかく保険料を払って積立ても元本割れになってしまうリスクがあります

為替により保険料も保険金も動くため予定が立てにくい

教育資金が必要になるのは早ければ大学の推薦入試が始まる高校3年生の秋で、この時期に入学金や大学入学の初年度の学費が必要になることは確定しています。しかし外貨建て保険の場合、為替の変動に伴って将来受け取れる保険金額も変わってくるので、子供が高校3年生のときにいくらをもらえるといった資金計画を立てるのが難しくなります

では通常の学資保険と外貨建て保険とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
まずは通常の学資保険の例を見てみましょう。たとえば、ソニー生命では総額200万円の学資保険を保険料を月払いで18年間払い込んだ場合、以下のようになります。

月々の保険料 払込保険料総額 受取資金総額
8,916円 1,925,856円 2,000,000円

毎月の出費も受取額も決まっているので、家計の管理がしやすいですね。受け取り額も途中で解約しない限り、保証されています。
外貨建て保険の場合も、外貨建ての保険料と受取額は最初から決まっていますが、実際に円で支払う保険料や最終的に受け取れる保険金額はその時の為替によって変わってきます。仮に月々の保険料が70ドル(総額15,000ドル)で、受取総額は運用され16,000ドルを受け取れる外貨建て保険に加入したとします。
毎月支払う日本円での保険料は為替相場の変動で前後します。払込期間の18年間の平均が1ドル90円だった場合は、90円×総額15,000ドル=144万円、1ドル100円だった場合は150万円が日本円での払込総額という事になります。

受取時為替 払込保険料総額 受取資金総額
1ドル=90円 1,500,000円 1,440,000円
1ドル=100円 1,500,000円 1,600,000円
1ドル=110円 1,500,000円 1,760,000円

たったの10円の違いですが、為替レートの変動で保険料にも受け取る満期金にも大きな違いが出ます。支払うときは円高、受け取るときは円安だと理想的ですが、そのようにうまくいくとは限りません。確実に資金を貯めておきたい人にとって為替リスクは軽視できないでしょう

早期解約で損をする

ほとんどの外貨建て保険には「市場価格調整(MVA)」が付いています。外貨建て保険は外国債券で運用されますが、MVAの仕組みでは、市場金利に応じて変動する債券の価格変動を解約返戻金の増減で調整しています。
相場の変動により受け取りが増える事もありますが、反対に当初の契約していた金額よりも減る可能性があります。
また、解約控除といって早期解約をするとペナルティのようなお金を解約返戻金から際引かれ、払い込んだ保険料よりも受け取り金額が低くなる元本割れのリスクを伴います。

毎月の保険料、保険金受取時に為替手数料がかかる

もう一つ忘れてはいけないのが、為替手数料の問題です。外貨建て保険は、保険料の支払いも保険金の受け取りもすべて外貨でやりとりされるので、毎月の保険料を支払う際に外替手数料が発生します。
為替手数料は保険会社によってそれぞれですが、たとえば1ドルにつき1円というふうに決められていて1ドル=100円だったとすると、1ドルに換金するために101円を支払うことになります。同様にドルから円に換えるときも為替手数料がかかります。
長期間にわたって払い込む保険料。手数料も塵も積もれば山となる、なのでこの点もしっかり考慮すべきでしょう。

低解約返戻金型で話題の終身保険「RISE」と学資保険を比較したい人はこちらの記事をチェックしてください。

決まった時に決まった金額を貯めておきたいなら、学資保険

予定利率や返戻率の高さは魅力的ですが、為替リスクの変動による受取金額の不確かさや、払込みのたびにかかる為替手数料のことを考えるとしり込みしてしまうのでが正直なところではないでしょうか。大切な子供の教育資金は、確実に準備しておきたいですよね。その点、学資保険なら契約時に払い込み期間や保険金・祝い金などを受け取れる時期を決められ、家族の人生設計を立てるのにもうってつけだと言えます。

学資保険を選ぶなら返戻率をチェック

学資保険といってもたくさんあるし、どこを選べばよいのかわからないかもしれませんね。そんなときは、返戻率をひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか?
返戻率とは、保険契約者が支払う保険料の総額に対して受け取る満期保険金や祝金の総額の割合のことです。たとえば100万円の保険料を支払って105万円の満期保険金を受け取った場合、返戻率は105%。この返戻率が高いほどお得な学資保険になります。
低金利政策により、学資保険の返戻率も軒並み低くなっていますが、少しでもお得な学資保険を選びたいものです。学資保険の返戻率ランキングは下を参考にして保険会社に相談してみてくださいね。

⇒ 2019年学資保険の返戻率ランキングはこちら

まとめ

いかがでしたか?外資建て保険はハイリスクハイリターンな商品であり、学資保険の代替としては不向きといえるでしょう。でも今後教育のグローバル化が進んでいけば、海外の大学への進学を見据え、ドル建て預金口座を開設する人もいるかもしれませんね。そうすれば為替手数料の問題が解消されたり、円安になるまでドルで置いておくこともできるでしょう。投資の世界では資産の分散が基本なので、リスクを理解した上で資産運用のひとつとして外貨建て保険にトライする選択肢もあります。ただ教育資金は国内の学資保険で準備するのが安心で堅実な道と言えそうですね。

  • 外貨建て保険は保険料の安さや返戻率の高さが魅力的
  • 為替の変動によるリスクがあり、先が見えにくい
  • 早期解約による元本割れの可能性も
  • 必要な時に必要なだけ資金を受け取りたいなら学資保険を選択

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