こどもの教育費は、大学までの授業料だけで約1,000万円から2,000万円かかるといわれています。
どのようにその資金を貯蓄していくかは、親としてとても気になるところ。
今までの主流といえばやはり学資保険ですが、2016年からスタートしたジュニアNISAを利用する方も増えています。
今回は、ジュニアNISAの特徴と学資保険との違いについて、それぞれのメリット、デメリットについて紹介します。

ジュニアNISAと学資保険の違い

こどもの教育資金づくりの方法として、ジュニアNISAと学資保険はよく比較されています。
用途は似ているものの、この2つの制度には明確な違いがあります。

ジュニアNISAはあくまで投資であり、学資保険は保険であるということです。

ですので、それぞれの特徴や制度も異なります。
この記事では、詳しく双方のメリット・デメリットを中心に解説していきます。

効率的に資金を増やすならジュニアNISA

ジュニアNISAについて説明します。
まず、ジュニアNISAが投資であることを理解しておく必要があります。

株式投資や投資信託などによって運用していくのです。

ジュニアNISAは、こどもが進学するに当たっての教育費用や就職などの将来起こるであろうライフイベントに対しての資産形成を目的にしています。
ゼロに近い低金利時代に突入している日本において、ジュニアNISAは大きく教育資金を増やす可能性のある、収益性の高い資産運用の1つです。

対象者は、ジュニアNISA口座を開設する年の1月1日現在で、日本に居住している0歳~19歳までの未成年者

子ども名義で口座を作り、運用は親(親権者)が行うという形になりますが、子どもにとって、自分の名義で口座があることを知れば、早い段階で投資に興味を持つことでしょう。
金融教育や投資教育は学校ではほとんど教えてくれないので、ジュニアNISAを通して、子どもが株や金融の仕組みを学ぶことは、将来に大いに役立ちます。

ジュニアNISAの最大のメリットは、年間で80万円までの投資額であれば運用で得た利益や配当金に税金がかからないこと。

つまり、儲けに対して非課税なので得た利益を税金で引かれることがありません。
口座を開設してから5年間が非課税期間となるので、トータルで最大400万円投資できることになります。

ただし年間80万円のうち、70万円の非課税枠しか投資に使わなかったとしても残りの10万円の非課税枠は翌年に繰り越せるわけではないので注意しましょう。

ジュニアNISAを取り扱っている金融機関にはマネックス証券、SBI証券、楽天証券などがあります。それぞれの機関で取り扱う証券会社にも違いがありますので、事前にしっかりと比較検討しておきましょう。

ジュニアNISAは5年間という短い期間で教育資金を多めに準備していくというものなので、共働きの家庭や、比較的収入が高い家庭に向いているといえるでしょう。

安定感と保障を重視するなら学資保険

手堅く貯めていきたい方や保障をつけたい方であれば、学資保険が良い手段となるでしょう。

ジュニアNISAが投資であるのに対して、学資保険は保険商品なので、月々1万円~2万円を積み立てていくことで、確実に満期金を受け取ることができます。
少額でコツコツ積み立てていきたい方にとっては、学資保険がオススメです

また、中学・高校・大学な入学時などの節目ごとににかかる資金に合わせて分割して受け取ったり、一番学費のかかる大学の入学金に絞って満期金を受け取ることもできるので、必要な時期に予定通りの教育資金を用意することができるのは、大きな安心につながります

学資保険には他にもメリットが2つあります。

1つ目は所得控除の対象になっていること
学資保険は、その性質上貯金のような印象を受けるのですがれっきとした保険商品です。
生命保険料控除に分類されているため、最大で4万円の所得控除が受けられます。

生命保険など他の保険にも加入していた場合で支払っている保険額が8万円を超えている場合は特段のメリットはないのですが、そうでなければ年末調整の際は忘れず申告しておきましょう。

2つ目は払込免除特約です
保険会社によって多少異なりますが、ほとんどの学資保険のプランに付帯している特約です。

契約者である親に、病気や不慮の事故など万が一のことがあって、死亡や高度障害状態になってしまった場合に、以降の保険金の支払いが免除され、かつ満期日にはきちんとお金が支払われるという、残された子どもや家族にとってはありがたい特約です。

保険料を支払えなくなっても保険は継続されるという、学資保険の安定感を一番表しているのが、この払込免除特約といえます

ジュニアNISAにはどんなリスクがある?

ジュニアNISAのメリットについてはお伝えしてきましたが、しっかりとリスクにも目を向けていくことでジュニアNISAに対する理解がさらに深まるはずです。

ジュニアNISAには4つの注意点があります。

  • 途中での口座解約などによる引き出しは課税対象になる
  • 解約しないと金融機関の変更ができない
  • ジュニアNISAは2023年に終了する
  • 投資商品のため元本割れのリスクがある

以下でひとつずつ見ていきましょう。

途中での口座解約などによる引き出しは課税対象になる

ジュニアNISAは、子どもの将来の教育資金や就職などに対しての資産形成が目的ですから、原則18歳までは引き出せません。

子どもが0歳のときからジュニアNISAを始めたとすると、18年間お金を引き出せない計算になります。

災害などの緊急性のある事象を除いて、お金に余裕がなくなったなどの理由で口座を引き出した場合、配当金や売却益などに税金がかかってしまいます。

ジュニアNISAは非課税であることがウリなので、課税されてしまってはメリットがなくなってしまいます。

計画的に余裕資金を持って運用していく必要がありますね。

解約しないと金融機関の変更ができない

NISA口座は積立NISAや通常のNISAも、1人1口座が原則。
ジュニアNISAであっても例外ではありません。

また、通常のNISAは1年に1度だけ金融機関の変更が認められていますがジュニアNISAに関しては認められていません。
どうしても金融機関を変更したければ、いったん現在保有しているジュニアNISA口座を廃止する必要があります。

廃止の際に払い出された配当金や売却益によって得られた儲けには税金がかかります。
ジュニアNISAを利用する際は、最初の金融機関の登録にしっかり時間を割いて、納得した形で口座開設をするようにしましょう。

ジュニアNISAは2023年に終了する

2023年の12月31日をもって、ジュニアNISAは終了してしまいます。

例えば、2019年の時点で0歳の子供がいる場合、投資期間が4年ほどになってしまいますので、加入する際は早めに決断しましょう。

ただし投資期間終了後に子どもが20歳に満たない場合は、繰越管理勘定に口座が移管され、20歳になるまで非課税で運用できます。

注意点は、移管後売却はできるのですが買付けはできないこと。
口座が移管されることをロールオーバーといいますが、ロールオーバー後は買付ができないので、売却は慎重に行いましょう。

投資商品のため元本割れのリスクがある

ジュニアNISAはあくまで投資ですから、やはり元本割れのリスクがあります。
多く利益を出せる可能性がある一方で、子どものための教育資金が減る可能性もあります。
投資は長期保有により、リスクを軽減させる事ができるので、0歳に近い年齢で口座を開設し、運用期間を長く取ることができればいいのですが、開設が遅くなればなるほど不利になります。
さらに一般的な投資では、相場が悪く元本割れしている時には相場が回復するのを待てますが、ジュニアNISAを学資準備として利用する場合は、資金を使用する時期が決まっており、相場の回復を待つ期間が取れないので、大きく資金を増やせる可能性もありますが、損をするリスクも考慮に入れておく必要があります。

学資保険にも元本割れのリスクがある

学資保険にも元本割れのリスクがあります。

学資保険を測る指標に返戻率というのがあります。
これは、自分が支払った保険料に対し、満期金などがどれだけ増えたか、もしくは減ったかを表す指標です。

受取金総額 ÷ 支払保険料 × 100 = 返戻率

もし100万円積み立てて、100万円返ってきたら返戻率は100%となります。

学資保険には医療保障などが充実している保障型と、保障がシンプルな代わりに返戻率が高い貯蓄型があります。
保障型の学資保険の場合は、返戻率が100%を下回り元本割れする商品があります。

せっかく長い期間をかけて積み立てていくのですから、返戻率の高い貯蓄型の学資保険を選ぶ方が、より多くの学資金を受け取ることができます。

また、途中解約をするとほとんど場合で元本割れとなりますので、学資保険に加入する際には、無理の無い支払プランを選ぶようにすることも大切なポイントです。

ジュニアNISAと学資保険シミュレーション比較

~18年後に学資金を200万円準備したい場合~ 

・ジュニアNISAのシミュレーション
子供が生まれた年に、ジュニアNISAの1年間の拠出額上限である80万円を運用に回し、利回り平均約5%だった場合、非課税期間の5年後には約102万円になります。
また、こどもが20歳になるまでは「ロールオーバー」といって、保有期間を延長することが可能なので、0歳で運用を開始し、仮に5.2%の利率で運用できたと仮定すると、大学入学の18歳になるころには元金と運用益を合わせて約200万円となり想定の学資金が、80万円で準備できる計算となります

・学資保険のシミュレーション
返戻率104%の学資保険で将来受け取れる学資金額を200万円に設定した場合、支払い総額は約192万円となります
仮に10年払いにした場合だと、月額1万6千円ずつの支払いとなります。

これだけを見るとジュニアNISAが圧倒的にお得ですが、必ずしも約5%で運用できるとは限りません。さらに長期で運用する場合はリスクが抑えられると言ってもタイミングによっては元本割れする可能性もあるので、返戻率が決まっている学資保険に比べ、リスクがあるということは押さえておきましょう

ジュニアNISAと学資保険は併用がおすすめ

ジュニアNISAと学資保険、いったいどちらが良いのでしょうか。

結論から言うと、2つの併用がおすすめです。

どちらにも一長一短のメリット・デメリットがありますが、併用することで補完し合い、リスクを分散することが出来ます

リターンが高く資産を多く増やせる分、減るリスクも有るジュニアNISAと手堅く安定性がある分、リターンが少ない学資保険。
双方をうまく組み合わせて教育資金を貯めていきましょう。

ジュニアNISAや学資保険以外にも終身保険や銀行での積立預金、積立投資など、教育資金を貯める方法はたくさんあります。

自分にあった方法で、無理なく計画的に教育資金を確保するのが一番です。

まとめ

ジュニアNISAと学資保険、どちらにもメリットとデメリットはありますが組み合わせることによって教育資金を増やすことができます。

投資資金などについて夫婦でよく相談して、自分たちの家計に合った貯蓄方法を選んでいきましょう。
また、途中で解約したりしてしまうと、ジュニアNISAであっても学資保険であっても損をすることが多いので、資金的に無理なく計画的に行うことが大切です。

まとめ

  • ジュニアNISAは、年間80万円までの投資額で得た運用益が非課税
    リスクもある一方で大きく資産を増やせる可能性がある
  • 学資保険は返戻率が低く、積み立てたお金に対して大きく増えたりすることはないが、手堅く安定している
  • 学資保険は、所得税控除の対象になっていたり、払込保険特約によって親が不慮の事故などで支払えなくなってもフォローしてくれるので安心
  • 教育資金を効率的に増やすなら、ジュニアNISAと学資保険を併用して使っていくのがオススメ

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